七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)/恵比寿

「神の舌を持つ男」がキャッチフレーズのムッシュ石神秀幸が手掛ける「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」。かのラーメン王が手掛けるお店がラーメンでなく、どちらかというと特殊なジャンルの「麻辣湯(マーラータン)」というのが面白い。都内にいくつか店舗を展開しているそうですが、今回は恵比寿店にお邪魔しました。
入ってすぐにサラダバー的なショーケースがあって、手袋をしてトングで好きな具材をボウルに入れていきます。このトッピングが1グラム2.75円で、思いのほか高くつく価格設定なのでご注意を。食材の説明書きは有って無いようなものであり、近くにいるスタッフも食材について上手く説明できないので何だかねという第一印象でした。
卓上には様々な調味料に追加トッピングの注文表。山椒が溶け込んだオイル(?)みたいなのが私好み。ちなみに「麻辣湯(マーラータン)」とは、国で親しまれている野菜を煮込んだ春雨スープだそうで、ムッシュ石神秀幸がシンガポールでどハマリし、中国で麻辣湯屋を食べ歩き研究を重ねたそうです。
意外に時間を要して着席後10分以上待って着丼。なるほど痺れる辛さを示す「麻(マー)」と唐辛子的ピリ辛な「辣(ラー)」が激しい。なのですが、いずれも表面的な味覚であり奥行きや重層的な旨味に乏しい。もちろんそういう食べ物だと言われればそれまでなのですが。
具材も野菜類は悪くないのですが、餃子のように生地を使った系は美味しくないですね。海鮮や肉などのお団子も冷凍食品のような出来合いの味わいでありローブラウな味覚です。賢明な読者はお野菜中心に攻めると良いでしょう。
麺は美味しい。鹿児島県産さつまいもと北海道じゃがいもを配合したものだそうで、これが春雨かと驚くほどの噛み応えを感じます。ところで春雨は謎のヘルシー感がありますが、平たくいうと糖質の塊でありインスリンのマブダチなのでご注意を。

お会計は麺1杯で千円を余裕で超えました。コンセプトや味は悪くないのですが、トッピングが高いなあ。これなら新宿や池袋あたりの怪しげな中華料理店にお邪魔した方がエキサイティングというものです。加えて店内オペレーションもグダグダで見てらんないので、いっそのことサラダバー的なショーケースなんか取っ払って、これぞというメニュー3種ぐらいに選択と集中すればいいのにな。

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