「パークハイアット京都 (Park Hyatt Kyoto)」の二寧坂沿いにある「KYOTO BISTRO (キョウト ビストロ)」。ビジターが多く、ややもすると「パーク ハイアット 京都」の施設に見えないかもしれません。朝食・ランチ・ティータイム・ディナーとフル稼働し続けるカジュアルダイニングです。
宿泊者の朝食は当店の1階で洋朝食、もしくは2階で「京大和」謹製の和朝食を楽しむこととなります。我々は2泊したので初回の朝食を和に、2回目の朝食を洋朝食としました。
店内は結構広く、テーブル席を中心に一部ソファ席とゆとりのある座席配置です。「ハイアットリージェンシー京都」は客室数が多いため朝食は戦時下に置かれますが、当館は客室数70のスモールラグジュアリーであるため、サービス陣からも余裕が感じられました。
まずはベジタブルジュースで身体を潤わせます。なお、当店はビストロと名乗っていますがフランス料理感は控えめであり、アジア料理からハンバーガーまで何でもある、オールデイダイニングなスタイルです。
ホテルの朝食はビュッフェスタイルであることが多いのですが、当店はフルサービスです。オーベルジュの朝食さながらのコース仕立てであり、序盤に私はヨーグルトに季節のフルーツ、グラノーラ、スモークサーモンにお野菜を頂きました。野菜の質が良いですね。むしろこれを丼いっぱい食べたいぐらいです。パンのレベルはかなり高く、クロワッサンやパンオショコラの深みのある味わいなどは、フランスで食べるそれに比肩する美味しさです。
メインディッシュはアラカルトメニューからお好きなものをお好きなだけ。連れは「鶏粥」を注文し、私もひとくち味見させて頂いたのですが、これは、一体、味がしない。私は勝手にベースとなるスープがしっかりした中華風のお粥を期待していたのですが、何ともプレーンで素朴な味わいでした。
私はオムレツを注文。これぞオムレツという一糸乱れぬ姿かたちであり、ホテル朝食の醍醐味といったスタイルです。
胃袋に余裕があったので、追加で「フライドヌードル」を注文。大きな海老に柔らかい麺、チリに鰹節というフュージョンスタイル。カリフォルニアあたりの雑な中華料理風レストランで供される焼きそば味であり、平たく言うとあまり美味しくないのですが、たぶんこれ、アメリカ人の郷愁を誘うために狙ってやってるよなあ。
ツイート
「鶏粥」や「フライドヌードル」に議論の余地はあるでしょうが、その他の料理やサービスについてはホテル朝食として文句の付け所のない完成度です。もしあなたが朝食で当店を訪れるのであれば、オムレツとかエッグベネディクトとかフレンチトーストとか、欧米系のメニューを注文すると良いでしょう。
ちなみにビジター向けの食事はサンドイッチやハンバーガーが2千円前後と、部屋の缶ビールが1,200円の宿泊者としては怒りすら覚えるお値打ちプライスであり、加えて平日15時から18時までの間はハッピーアワーを開催中なので、食前に軽く飲みに来るのも良いかもしれません。二寧坂のお散歩ついでにどうぞ。
関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
- 木山(きやま)/ 丸太町 ←マイ・ベスト・京都メシ。おひとりさまも大歓迎。
- にくの匠 三芳(みよし)/祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
- 祇園にしかわ/祇園 ←今の東京は何かが狂っていると言わざるを得ない。
- 祇園 大渡(おおわたり)/祇園 ←大将のキャラが最高に面白い。
- CAINOYA (カイノヤ)/四条河原町 ←鹿児島で国内外のフーディーを集める店が京都に移転。
- LURRA°(ルーラ)/東山 ←雰囲気独特。好みが分かれるお店です。
- 草喰 なかひがし/出町柳 ←店名の通り草を食べる変わった和食。
- 未在(みざい)/東山 ←盛り付けは天下一品。
- 下鴨茶寮 本店/出町柳 ←環境と店構えが最高にクール。
- 室町 和久傳(むろまちわくでん)/烏丸御池 ←やっぱり和久傳が好き。
- 田がわ/御幸町 ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園 ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- 末友/祇園 ←ミシュラン2ツ星。非の打ち所が無いお店。
- 祇園にし/祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵/高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い!
- レストランひらまつ 高台寺 ←立地や雰囲気が抜群。
- とくを/木屋町 ←料理にも店の雰囲気にも、シェフの人柄の良さが滲み出ている。