都内で唯一のウイグル料理専門店「シルクロード タリム ウイグルレストラン(SilkRoad Tarim Uyghur Restaurant)」。初台駅から新宿方面へ徒歩5分ほど、「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」から歩いてすぐで、チェックアウト後の早めの夕食にお邪魔しました。
国際政治的には穏やかでないニュースが飛び交う新疆ウイグル自治区ですが、店内は至ってのんびりとした雰囲気。従業員はもちろんゲストまで全員が外国人で、日本人である私がアウェイな人員構成です。ちなみにホールスタッフは日本語が堪能なのでご安心を。
ウイグル料理に合う酒は何なのか、いや寧ろウイグル料理とは何なのかの事前知識が無かったため、無難にビールを楽しみます。1本5百円かそこらなので気楽に楽しみましょう。
お通しとして豆づくし。豆そのものは見覚えのある素材なのですが、味付けにどことなくラー油のようなニュアンスを感じ、ピリ辛なニュアンスです。まずは「タリム カワナン」。ミートパイのようなものでしょうか。ウイグルの人々の多くはイスラム教であり、豚肉はNG。その代わりにか、メニューには羊や鶏を多用したものが多く、このミートパイも羊肉を用いていました。肉の独特の香りとスパイス、ハーブの風味が折り重なり、ビールが進む逸品です。
シシ・カバプ。こちらは日本でもおなじみですね。ぶつ切りにした肉の串焼き料理であり、当店では脂肪分の少ないヘルシーなラム肉を用いています。やはり羊のミルキーな脂の香りと独特のスパイス使いが見逃せません。一般的な焼鳥の倍ほどのサイズであり、これ1本で300円というのはお値打ちです。
スペシャリテの「タリム ラグメン」。「ラグメン」とは手延べ麺のことであり、ウイグル料理の主戦場。注文を受けてから生地を打ち始め、あやとりのようにビョンビョンと麺を延ばし始めます。思いのほかコシが強く弾力があり、口当たりはツルツルとしており、お世辞抜きに超美味しい。すごく美味しい。
こちらは⻑葱と羊肉の炒め物。料理名がややこし過ぎたので覚えることができませんでした。が、やはり味は一級品。羊のパンチのある味覚にじんわりと汗が噴き出てくるほどのスパイス使い。ネギの辛味と甘味。何ともアクティブはひと皿です。麺があまりに旨かったので追加注文で「タリム・コルマ・チョップ」。手延べ麺を用いたウイグル風の焼きうどんであり、神保町「みかさ」の焼きそばをより猛々しくスパイシーにした印象。ニンニクの芽の香りや羊肉の後を引く風味に病みつきです。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり4千円ほど。尊いわー、この費用対効果は尊いわー。支払金額はさておき味覚そのものとしてベリーナイスであり、どうしてウイグル料理というジャンルがメジャーデビューしないのかと不思議に思うほどの美味しさでした。飲み放題付きの宴会プランもあるようなので、何かの飲み会にでも提案してみようかしら。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。