酒津屋 中店(さかつや なかみせ)/栄(名古屋)

名古屋は「栄 森の地下街」にある「酒津屋 中店(さかつや なかみせ)」。1896年に名古屋で創業した酒販店を生まれとする「サカツコーポレーション」が運営する居酒屋であり、当店も1965年開業と歴史があります。食べログでは百名店に選出。すぐ近くには姉妹店の「酒津屋東店」もあります。
紫煙が立ち込める店内。今どき珍しく喫煙OKなお店であり、独り飲み族の多いハードボイルドな雰囲気です。営業形態が変わっていて、7時オープン24時クローズの年中無休(コロナ中は知らん)。居酒屋的おつまみメニューに加え、定食メニューもラインナップに加わっており、普通に食事をしている会社員の隣で老人会の飲み会が開かれていたりします。もちろん朝7時から飲むことができ、昼飲み率も結構高い。
私はスペシャリテの「エビカツ」を定食で頂きます。880円で、単品だと550円。味噌汁のどす黒さに名古屋感が満ちている。
主題のエビカツ。ミンチ状の海老ではなく丸のままのエビが剥きだしで並んでいます。エビカツというよりもエビフライが連続しているような状態。調味は殆ど感じられなかったので、卓上のウスターソースをたっぷりかけて召し上がれ。
ライスはまあ、大衆食堂のライスといったところ。このゴハンと真っ黄色のタクアンと味噌汁を付けると単品に330円増しというのは少し高く感じました。ローカーボな方は定食でなく料理を単品で色々注文するのも良いでしょう。
味噌汁は完全に名古屋スタイルですねえ。繊細な出汁の風味など微塵も感じられず、全てが赤味噌でギットギトに仕立てられています。たまにはこういうジャンキーな味噌汁も良いもんだ。
毒を食らわば皿まで。先のゲートウェイドラッグに触発され、「牛すじどて煮」を追加注文しました。先の味噌汁に輪をかけて赤味噌味であり、ひたすらに威圧的でバイオレンスな味わいです。コンニャクの存在が優しく感じる。
以上を食べ、お会計は1,370円。定食だけで済ませば千円を切り、立地を考えれば良心的な価格設定でしょう。予約不要でいつでも入ることができ(でも何故か食べログからweb予約を受け付けている)、ひとりでもグループでも様々な用途で使える便利な店。何より名古屋料理については圧巻のラインナップ。意外に旅行者が郷土料理を楽しむのにも良いと思いました。

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