アンティカ オステリア カルネヤ (ANTICA OSTERIA CARNEYA)/牛込柳町

東京の肉メインイタリアンのパイオニア「アンティカ オステリア カルネヤ (ANTICA OSTERIA CARNEYA)」。「カルネヤ」とはイタリア語で「肉」を意味し、熟成肉で有名な「さの萬」や滋賀の名店「サカエヤ」から一級品の牛肉を仕入れます。奇しくも地名は「牛込」である。
「オステリア」の通り、店内はカジュアルで親しみのある雰囲気(写真は公式ウェブサイトより)。接客も独特で親近感溢れる精神的距離であり、友達の家に遊びに来たかのような居心地の良さです。

高山いさ己シェフは浅草の老舗焼肉屋「富味屋」の次男坊。幼少期は週6日焼肉を食べて育ったそうであり、当店に続き新日本橋「sisi煮干啖(ししにぼたん)」、新宿御苑「ナスキロ (NASQUILLO)」とヒット店を続々と展開中。
アルコールの価格設定も良心的で、ビールは770円でグラスのスパークリングワインも同程度、ハウスワインのデキャンタは3,300円と気持ちよく酔っぱらえます。もちろん立派なボトルワインも用意されており、多彩な利用方法が見込まれます。
お通しから肉です。トリュフの風味がきいたサラミは記憶に残る味わい。モツをテリーヌ状に固めたものも、ゼラチン質がプルプルと美味。スパークリングワインに良く合う。
続いて短角牛のタルタルステーキに熟成牛のカルパッチョ。タルタルはじっとりと味の濃い肉を盛り付け、表面を軽く炙って香ばしい風味。カルパッチョは噛めば噛むほど旨味があふれ出て来、私の食史上かなり早い段階で赤ワインを注文してしまいました。
自家製のフォカッチャは素朴ながら美味しい。ジュワっと油が滲み出るほどジューシーなスタイルであり、肉によく合うパンでござる。
前菜に肉か野菜かを選ぶことができるのですが、当然に肉を指定。するとかなり迫力のある豚肉が登場し、そのへんのレストランのメインディッシュに肉薄する威圧感です。
パスタは3種類からのセレクションで、私は「サルデーニャ島産カラスミのスパゲッティ」をチョイス。モチっとした食感のパスタは茹で加減完璧で、シンプルなアーリオオーリオも堂に入った味わい。加えてカラスミ。最強です。
お口直しのソルベにはパイナップルとバジリコ。思っていた以上にバジリコバジリコした味覚であり、意外性のある美味しさです。
メインは熟成牛の炭焼きステーキとパレルモ風カツレツの盛り合わせ。ステーキは表面がガリと香ばしく仕上げっており、苦味すら感じる攻めた美味しさです。他方、カツレツは肉の旨味や肉汁の色っぽさを衣が全て受け止め、上手にシンデレラフィットさせていました。
デザートはピスタチオのクレームブリュレ。まさに濃厚といった表現がぴったりの味覚であり、ピスタチオよりもピスタチオの味がします。
ルイボスティーで〆。ごちそうさまでした。8千円のコースにハウスワインをいくらか飲み、お会計はひとりあたり1万円強。これだけの肉を食べてこの支払金額はリーズナブル。結構なボリュームなのですが、それでもスイスイと食べ進められる味覚調整は肉の匠のなせる業でしょう。
今回はお昼に夜のコースをお願いしましたが、ランチタイムはハンバーガーやパスタが千円かそこらから始まるので、次回はハンバーガーにタルタルバーガーあたりを試してみようかしら。モツバーガーも面白そう。

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