しっとりと暗く落ち着いた雰囲気の店内。我々はお食事目的でお邪魔しましたが、カウンター席にはおひとりさま女性率が高く、ワインバーとしての使い勝手も良さそうです。奥にはアップライトピアノがあり、コース名にも「ショパン」があったりと、何か音楽にゆかりがあるのかもしれません。
ビールは千円を切りグラスのワインは千円~と良心的な価格設定。我々は良く飲むふたりなので、グラスの泡に続いてボトル主体に組み立てます。ソムリエから提案されるワインが多種多様で、フランス料理店でありながら幅の広いラインナップでした。
まずは内臓を温めましょうと茄子と甲殻類のスープ。これはもう、どっちゃくそ美味しいですねえ。甲殻類のあつぼったい香りと旨味に胃袋が溶けそうになる。続いてサバ。ゴマを一面に塗り付け程よく火入れ。サバのしっとりとした旨味をしみじみ楽しみます。アンチョビを用いたアクティブな調味も見逃せない美味しさです。
パンは素朴なバゲット。全体を通してソースがしっかりした料理が続くので、これぐらいの音域のパンがちょうど良し。
お魚料理はタイ(細かな分類は忘れた)。サバに続き、やはりしっとりと優しい火入れ。コッテリ目のソースとコッテリ目のワインと共に至福のひととき。
お肉料理はエゾジカ。ズバっと一本気な調理であり、嗚呼めっちゃシカ食べてる感の強いひと皿。こちらにはスパイシー目な赤ワインを選んでもらい。まさにマリアージュといった完璧な組み合わせでした。デザートもしっかりしていて、当店のキッチンの方向性はかなり硬派です。ネット上の口コミでは「モダンフレンチ」と分類されていることが多いですが、私にはとてもクラシックに感じました。店内に流れる音楽がそうであるように。
紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。
1万円弱のコース料理に結構飲んで、お会計はひとりあたり2万円弱。一般的な飲食サイズであれば1万円強に収まりそう。落ち着いた大人のデートにピッタリなお店。他方、ランチタイムは千円台~の定食屋営業もやってるそうなので、今度はソロでそちらにお邪魔してみようかしら。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- naoto.K(ナオトケイ)/神田錦町 ←近い将来、当店は必ず超予約困難になります。かけてもいい。
- 銀座 大石/銀座 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に。
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。
- ル マルタン ペシュール(LE MARTIN PECHEUR)/吹上(名古屋) ←フランス料理という文化に対する並々ならぬ愛情を感じました。