大阪の名物料理は色々ありますが、21世紀に入って急に脚光を浴び始めたモノと言えば「串カツ」。聖地はもちろん新世界ですが、キタにも良い店がいくつかあります。例えば「串かつ 七福神」は西梅田の「ぶらり横丁」の人気店でしたが、当該地域の再開発に伴い大阪駅前第4ビルに移転してきました。
土曜の午前という串カツ的にヘンな時間に訪れたので並ばずに入ることができました。フライヤーをぐるりと取り囲むコの字型のカウンターで20席ほど。狭いお店ですが、大きい荷物は入り口近くのスペースに置かせてもらうので、旅行者(当店は伊丹からのバスの到着地マルビルのすぐ近くだ)にとっても使い勝手が良いでしょう。
大ジョッキを注文すると本格的に大ジョッキで腰を抜かしました。西麻布あたりのナメた居酒屋の3倍以上の容積です。酒はいずれも500円前後であり、炭酸水飲み放題350円というシステムに草生える。あと、当然のように生のキャベツが出迎えてくれ、無くなってもジャンジャン追加してくれます。
串を注文し、揚がるまでは「すじコン煮」で繋ぎます。牛のスジ肉にたっぷりのコンニャクで腸内洗浄。「盛り合わせ6本」の2人前が到着。牛・エビ・キス・うずら・れんこん・青とう。串カツ業界のオールスターズで、とりわけレンコンが美味しかった。糸をひくほどの生命力で、ジャクジャクとした食感も唯一無二の食材です。
ここからは単品で注文。「へれとんかつ」に「まいたけ」。まいたけは大地の香りを感じる逞しい味わいです。「若鳥」に「かき」。牡蠣が美味しいですねえ。ジュワっとジューシーで磯の香りが非常に強い。サザエさんのレギュラーメンバーに牡蠣が居ないのが不思議なくらいです。
「いわし」に「ミンチカツ」。メンチカツかミンチカツか論争は根強いですが、関西圏は後者のほうがメジャーな気がします。ただし当店のような棒状のモノは珍しい。
「コロッケ」に「紅ショウガ」。紅ショウガと言えば吉野家的に細切りにされていることが多いですが、当店のそれはまさにショウガであり、不思議なコクを感じる逸品です。
そこそこ飲み食いしてお会計はひとりあたり3千円。いいですねいいですね、やっぱり串カツはこうでなくっちゃね。東京で串カツは客単価1万円超えは当たり前という狂った世界なので、大阪の食い倒れ文化の良心に触れたランチでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。