丸太町駅から徒歩数分の住宅街にあるイタリアン「ヴェーナ（Vena）」。イタリア料理店の多い京都の町でもかなりの人気を誇り、ミシュランでは1ツ星、食べログでは百名店に選出されています。
日本家屋をリノベした店内には北欧家具が敷き詰められており、人当たりの良いバーのような雰囲気。カウンター席後ろにあるガラス張りのワインセラーは必見。2階には子連れOKな個室もあるとのことです。
早川大樹シェフは京都生まれ。「イル ギオットーネ（IL GHIOTTONE）」で長く腕をふるったのち、池本洋司ソムリエとタッグを組んで2016年に当店を開業。
グリッシーニは神社のおみくじのように束になってやって来、お好きな量をピックアップ。食中にはパンも供され、これがフランス料理店で出されそうなどっしりしたタイプで美味しかった。
タラの白子とマツタケをパートフィロ（薄い春巻きの皮みたいなやつ）で包んで揚げ焼きに。うひょう、これは抜群に美味しいですねえ。ややもすると中華料理的なニュアンスも感じられ、本日一番のお皿です。
カルパッチョはイシダイで。ムキムキマッチョな個体で食べ応えがあり、塩気はカラスミでカバーと日本酒が欲しくなるひと皿です。種々の柑橘の風味やカブの甘味もオシャレです。
自家製のベーコンを更に炙りました。実にテンションの高い味わいであり、今度はビールが欲しくなる勢いです。生のトンブリを添えるあたりセンス抜群で、ジャガイモのピュレの甘味、パルミジャーノ・レッジャーノの塩気、味玉（？）のトロっと感など、日本人であれば誰もが好きな味覚でしょう。
白いドロドロの何か。これはモッサリとした食感で妙に甘く、私の口には合いませんでした。毛ガニやウニがタップリなのですが、これは別々に食べたかった。
スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ。アンチョビの代わりにサンマを用いているのが面白いですね。円みのあるトマトの酸味とサンマの苦みが調和する。量もたっぷりですが、おかわりしたいほど美味しかった。
トリュフの食べ比べなのですが、この西麻布感は全く不要ですね。このひと皿いらんから5千円値引きして欲しいところです。もしくは同じキノコでもシメジやシイタケの食べ比べの方が興味がある。土台となる生落花を用いたチーズリゾットは美味しかった。
メインは小鳩。これがべらぼうに旨い。正肉部分の美味しさはもちろんのこと、様々な部位をミンチ状にした肉団子やサルミソース（？）も官能性と暴力性が同居する新井浩文のような味わいです。イタリア料理店よりもフランス料理店で見かけることの多い食材ですが、ジャンルレスに美味しい逸品です。
デザートはプリンにミルクアイスに代白柿（だいしろかき）。3時のオヤツのような組み合わせですが、ひとつひとつが素朴に濃厚に美味。柿の滑らかな甘味が名脇役。
食後のお茶で〆。ごちそうさまでした。
前述の通り、お料理は2万円にワイン・ペアリングが1.2万円。私は好きですが、イタリア料理店としてはかなりの支払金額ですし、そこそこ量が飲めないと楽しめないかもしれません。ワイン文化に理解のあるグルメ仲間と共にどうぞ。
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- にくの匠 三芳（みよし）／祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
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- 祇園 大渡（おおわたり）／祇園 ←大将のキャラが最高に面白い。
- LURRA°（ルーラ）／東山 ←雰囲気独特。好みが分かれるお店です。
- 草喰 なかひがし／出町柳 ←店名の通り草を食べる変わった和食。
- 未在（みざい）／東山 ←盛り付けは天下一品。
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- 祇園にし／祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵／高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い！
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- とくを／木屋町 ←料理にも店の雰囲気にも、シェフの人柄の良さが滲み出ている。