豚肉への信仰心が篤い民族として有名な熊本の民の中でも屈指の人気を誇るトンカツ屋「勝烈亭 （かつれつてい）」。市内に何店舗かを展開しており、今回はその「新市街本店」にお邪魔しました。食べログでは百名店に選出されています。
これがトンカツ屋か、と驚く広さならびに清潔感。一般的なテーブル席はもちろんのこと、おひとりさま向けのカウンター席にファミリー向けのボックスシートと様々な用途に対応できます。ロフト風味の2階席も含めると100席以上あるんじゃないかなあ。
注文を済ますとすぐにお漬物ポットが用意されます。その他、卓上にはキャベツ用のドレッシングが数種類にポン酢、塩、トンカツソース数種に胡麻とセルフ調味料が百花繚乱。試算するに8,940万通りの味覚の食べ合わせが考えられます。
定食を注文すると、壺のお漬物以外にキレイに盛り付けられたお漬物に大根おろしも用意されます。もうこれだけで1杯やれそうな勢い。ゴマのすり鉢も用意され、スリスリプチプチと待ち時間も楽しい。ちなみに従業員の接客も丁寧で、ゴマスリとまでは言わないまでも実に恭しい姿勢でした。
本題の「厚揚げひれかつ」。おお、このヒレカツはちょっと変わってますね。保水力が半端なく、綾瀬はるかの肌のようにしっとりとしています。揚げ物というよりも蒸し物といったニュアンスが強く、衣は厚いのですが油っぽさは一切感じさせません。大サイズ180gでの注文でしたが光の速さで食べ終わってしまいました。
こちらは「六白黒豚ロースかつ膳（140g）」にクリームコロッケをトッピング。先のしっとりした食感からは一転、まことにジューシーな仕上がりです。トンカツにおけるロースは店によって芸風が異なり脂身が強すぎるものは私は苦手なのですが、当店のそれは適度なバランスを保っており、ややもするとロースのほうが好みかもしれません。
赤出汁やライス、キャベツはおかわりOK。一般的な定食屋レベルなので、揚げ物の美味しさに比べると相対的に印象が薄い。定食でなく単品注文だと300円引きなので、そうすれば良かったかな。
いずれにせよ、大満足のランチでした。派手に食べても2～3千円に着地するでしょうから、このレンジの食事としては抜群の費用対効果です。なお、カツのグラム数を減らしてでも大海老フライの追加注文をするように。
関連記事
私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
- とんかつ マンジェ／八尾（大阪） ←とんかつの聖地。私のとんかつ観を変えた店。
- もち豚とんかつ たいよう／武蔵小山 ←気の良い料理人は何を作っても美味しいものだ。
- とんかつ成蔵（なりくら）／南阿佐ヶ谷 ←トンカツに5千円？しかも予約制？
- あげ福／五反田 ←アクセスのよい成蔵。
- とんかつ都／麻布十番 ←無名ですが実力派。肌理の細かい衣が特長的。
- ポンチ軒／新お茶の水 ←肉がミルキー。行列が短いのもグッド。
- とんき／目黒 ←都内屈指の老舗。16:30には行列が。
- とんかつ大宝（たいほう）／目黒 ←2千円以下の部、優勝店
- 豚組（ぶたぐみ）／西麻布 ←西麻布のオシャレとんかつ。味も最高峰。飲み屋として使うのも良し。
- 豚組食堂／六本木 ←豚組のセカンドライン。ヒルズ内かつ通し営業と使い勝手良し。
- のもと家／大門 ←売り切れ必至。大門の超人気店。
- 檍（あおき）／大門 ←蒲田の超人気店がとんかつ激戦区、大門に進出。
- 丸五／秋葉原 ←ミシュランのビブグルマン（安ウマ店）をゲットしており、秋葉原の観光も兼ねて外国人にも大人気。
>
とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。