1976年創業の「スパゲティ ダン」。「出没!アド街ック天国」のような情報系番組で目黒が取り上げられると必ず登場する(電通調べ認知度98%)老舗のスパゲティ専門店です。
店内は喫茶店というべきかラーメン屋というべきか独特の雰囲気。グループ客はテーブル席へ、おひとりさまはカウンター席へと案内されます。パスタの種類が豊富で何と42種類も用意されており、そのうち半分近くが「おすすめ」とされています。
かなり太目の麺を注文を受けてから茹で始めるため、調理時間10分以上を要します。卓上の案内に「スパゲティとは直径1.8~2.0ミリ、長さ27センチのものを指し、その他の細い麺はパスタと呼ばれています」との記載があり、イタリア料理愛好家としては色々と思うところがありました。
私は「たらこウニイクラ大根おろし」を注文。1,310円です。中々のボリューム感であり、普通盛りで120g、大盛りだとプラス170円で160gになります。
和風スパゲティというか何というか、独自の路線をひた走る麺料理であり、あと一口もう一口と後を引く美味しさです。ちなみに「大根おろし」につき、当店は「目黒のさんま祭り」で出される大根おろしを全て担当しているそうです。
何と言っても麺が美味しいですね。アルデンテとは別次元の独特の食感であり、モチモチふにゃふにゃ優しいタッチの舌ざわり。タラコもバター(?)と一体化して流れるようなソースへと化しており、ふんわりと漂うウニの風味、海苔の香り、イクラの塩気と郷愁を誘う味わい。
何ともクセになる味わいで美味しかった。大盛りにすれば良かったなあ。いわゆるイタリアンイタリアンした本格派ではなく、大手町「リトル小岩井」よろしく独自の進化を遂げたジャパニーズ・スパゲッティ。そう、これは「パスタ」ではなく「スパゲッティ」という料理なのかもしれません。次回はイカとか納豆とかが入った系を試してみよう。
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- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
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- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
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- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。