料理の鉄人・陳健一の四川料理店の名古屋支店(写真は公式ウェブサイトより)。東京では渋谷セルリアンタワーにお店を構えていますが、名古屋では名駅直結のJRセントラルタワーズ12階のレストラン街に入居しています。
100席近くありそうな大箱です。それでもランチタイムには予約ナシ客で行列も生じており、人気のほどが伺えます。席間にはゆとりがあり、スタッフもホテルマンのようにシュっとした対応であり、スマートな店という印象を受けました。2,500円のランチセットを注文。まずは点心。エビにイカに豚肉に何だっけな。いずれも手堅い美味しさであり、このセイロを1ダースほど一気食いしたい衝動に駆られました。
看板メニューは「陳建一の麻婆豆腐」なのですが、この後ワインを飲みに行く予定があったので、辛さがいくらか控えめの「陳建一の担々麺」を注文。スープの土台となる旨味がしっかりとしており、その上に胡麻やスパイスの風味が綺麗に重なり合います。真っ赤っ赤な外観ですが上品な味わい。
麺は博多ラーメンのような細麺であり、思わず替え玉と言いたくなるような円やかな味わい。私の好きなタイプの麺ではないのですが、この担々麺のスープには良く合う。
デザートの杏仁豆腐が絶品。クリーミーな舌ざわりに奥行きのある甘味、コク。ここまで美味しい杏仁豆腐はなかなかありません。
この立地とサービスでこれだけ食べて2,500円というのはお値打ち。15年以上も昔の話ですが、前妻の知り合いが渋谷の「スーツァンレストラン陳」で働いていて、「サービスするから来て下さい」と招待されたのに何のサービスもされなかったという嫌な思い出がようやく払拭されました。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン