開花亭sou-an(カイカテイソウアン)/福井市

福井駅近くの繁華街「浜町(はままち)」に構える「開花亭sou-an(カイカテイソウアン)」。130年の歴史の歴史を誇る料亭「開花亭」のセカンドラインであり、ゴ・エ・ミヨにも掲載されています。店舗とインテリアの設計は隈研吾。ところで隈研吾が関与した建物って最近めっちゃ多いな。隈研吾は実は10人ぐらいいるのではなかろうか。
天井がドーンと高い贅沢なつくり。1階はカウンターとテーブル、2階にもテーブル席が沢山あって、割烹料理店としてはかなりの大箱でしょう。なのですが、ちょっと活気が無いのが気になりますね。緊張感のある静けさ、というわけではなく、ただただテンションが低い。直前に誰か偉い人にでも怒られたのかな。いっそのこと爆音でEDMでも流すと意外に合いそうな空間です。
お店の格に比してアルコールは安く、日本酒とワインのペアリングなども提案してくれます。我々はビールでのどを潤したのち、日本酒のボトルへと移行。当たり前ですが日本酒ってアルコール度数強いっすね。2人で飲むとすっかり酔っぱらってしまいました。
まずはウニしんじょう。なのですが、それほどウニの風味は強くなく、それよりも栗せんべいのサクサクとした食感が楽しかった。
マツタケとハモの土瓶蒸し。王道の味わいで文句なしの味わいです。
お造りはバイガイに迷いガツオ。バイガイの、ちょっとクセのあるテイストが日本酒に良く合います。
湯葉蒸しの内部にはたっぷりの鰻が。このお皿はべらぼうに美味しいですね。鰻のふっくらとした食感に湯葉の健康的な味わい、べっこう餡のパンチのある味わいと、鰻料理の新たな可能性を感じたひと品でした。
焼き物はノドグロ。結構な大きさで、しかもXO醤焼きのバルサミコのソースと未開拓領域。ジューシーなノドグロの美味しさは言わずもがな、XO醤のコッテリとした味覚もノドグロの脂に負けない存在感。こちらについてもノドグロ料理の新たな可能性を感じたひと品でした。
アワビの天ぷら。その名の通りシンプルな料理ですが、やはり抗えない美味しさがあります。こればっかしは重めのシャンパーニュなどで楽しんでも良かったかもしれません。
金時草のおひたしでお口の奥地を整えつつ、、、
メインディッシュは若狭牛ロース肉のステーキ。ソースが甘く、若狭牛の品の良い脂の甘味を補完します。
〆のお食事は松茸ごはん。基本に忠実で美味しいのですが、特におかわりの提案なのは無く少ししょんぼり。
季節のフルーツと塩バニラアイスで〆。ごちそうさまでした。

食事代が1.5万円ほどにお酒を飲んで、お会計はひとりあたり2万円弱。お店の風格や素材の良さを考えれば実にリーズナブル。他方、冒頭に記した通り全体を通してテンションが低く、接客も少し冷たい感じがする(内装にリンクしてスタイリッシュな姿勢、という意見もある)ので、ちょっと独特の雰囲気に感じるかもしれません。親族での集まりや接待などで活躍しそう。

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