昭和39年創業の定食屋。チキン南蛮発祥の店として名高い「直ちゃん(なおちゃん)」。延岡駅から徒歩5分ほどの場所にあり、お店の前にサッカーコートのように広いコインパーキングもあるので車で訪れても駐車は余裕です。
店内はカウンター席とテーブル席、座敷もあって子連れのグループ客もおひとり様もおふとり様も対応可能。手入れが行き届いており清潔なお店です。
店名は初代のムッシュ後藤直から取っており、かつて延岡市にあった洋食店「ロンドン」で働いていた際にまかないとして食べていた鶏肉の唐揚げに甘酢をかけた料理にヒントを得てチキン南蛮の専門店をオープン。
スペシャリテの「チキン南蛮定食」は千円ポッキリ。一般的にチキン南蛮と言えばたっぷりのタルタルソースが特徴的ですが、当店のそれは甘酢ダレをかけただけのシンプルな仕様です。
見た目こそヘヴィ級ですが味覚は実にあっさりしており、食欲旺盛な高校生などは2セット余裕の軽やかさです。県産鶏のムネ肉をシャラっと揚げ、バンバンに衣をつけるのではなく油の中でフワフワっと絡ませたという印象。
味噌汁は京都のお雑煮のような優しい甘味を湛えており、トロっとコクがありクセになる味わい。
こちらは「もも焼き定食」。1,300円です。その名の通りに鶏のモモ肉をクリスマスよろしく豪快に焼きつけており、鶏肉の美味しさがダイレクトに伝わってきます。個人的には「チキン南蛮定食」よりもコチラのほうがパンチを感じました。となると残るひとつのメニュー「日向鶏たたき風定食」も大変気になる。いずれにせよ、どのメニューも千円かそこらであり、それでいてこのクオリティであれば大満足。チキン南蛮の元祖かどうかはさておき、純粋に鶏料理として美味しいお店でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。