横浜は馬車道通り沿いにあるイタリアン「トラットリア・ダ・ケンゾー(Trattoria Da Kenzo)」。老舗「ラ・テンダ・ロッサ (la Tenda Rossa)」の西沢健三シェフが独立開業して話題となりました。
わおー、これは大箱ですねえ。カウンター8席にテーブル席は50席以上はあるでしょう。圧巻はテラス席で、そこだけでも20席以上はあるのではなかろうか。馬車道沿いの並木の緑が映えて絵になります。
お酒の値付けも良心的で、ビールやグラスワインは千円を切り、ボトルについても5~6千円前後のものが中心。お冷は無料でスパークリングワインが振る舞われ、当店の気前の良さが感じられます。
それにしても、最近の「意地でもミネラルウォーターで千円取ったる」文化は何なのかね。特に和食店でFUJIとか出てくるとイラつく。自分が経営者なら水なんかでは意地でも金は取りたくなくて、その分プラス千円良い酒を楽しんでもらいたいと思うのだけれど。
我々はランチ5千円のコースを注文。まずは前菜盛り合わせ。マジで盛り合わさっており、なんとコチラで1人前と凄まじいボリュームです。サラダやサラミでお茶を濁して終わりということは決してなく、マグロやカツオなどフレッシュな食材も多用されており、やはり気前の良いお店です。
パンはかなり水分が飛んでおり、モソモソしてあまり美味しくありません。それでも先の前菜と合わせれば、並のOLの胃袋であればこれだけでお腹いっぱいになってしまいそうです。
パンはかなり水分が飛んでおり、モソモソしてあまり美味しくありません。それでも先の前菜と合わせれば、並のOLの胃袋であればこれだけでお腹いっぱいになってしまいそうです。
パスタは私と連れで異なるものを注文し、取り分けて頂きました(つまり写真はハーフサイズ)。リングイネのジェノベーゼソースであり、これだけで100グラム近くありそうです。讃岐うどんもかくやというマッチョな麵であり食べ応えがあります。
ペスカトーレもボリューム満点。あまりの迫力でうっかり写真を撮り忘れたので、お店の公式インスタを引用させて頂きます。種々の貝類が山ほどに積みあがっており、特大サイズのエビちゃんも見逃せない。「トラットリア・築地パラディーゾ(Paradiso)」は細麺ですが当店はリングイネであり、圧倒的な食後感を誇ります。
メインはアラのアクアパッツァを注文。アラの骨や皮、身からうんまいエキスが滲み出ており、いいスープしています。欲を言えばもっとたっぷりのスープで楽しみたかったかもしれません。
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デザートはボネ。ピエモンテ州に伝わるチョコレート風味のプリンです。かなりコッテリとした味覚でありのけぞるようなポーションも見物です。添えられた洋ナシやカキの蜜感も堪らない。
ハーブティーで〆てごちそうさまでした。以上を食べ、ビールを飲み、その後ふたりで1本飲んでお会計はひとりあたり9千円ほど。ランチの絶対価格としては中々のものですが、そのままディナーに移植しても充分に耐えうる仕様であり、また、必ず腹いっぱいになるボリューム感を考えれば割安と言えるでしょう。
従業員の感じも良く、まさにトラットリアな雰囲気。パスタが特に旨いので、糖質オンしたい気分の際に是非どうぞ。
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日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。