ひがし茶屋街から尾張町に移転した「ワインと鉄板 かいどう」。住宅街の一軒家というか何というか、表現が難しい2階の黒い外壁が目印です。店名の通りワインが前提の店であるため、基本的に未成年はNGの、オトナのためのお店です。
鉄板を取り囲むカウンター8席のみの小さなお店。黒を基調としたスタイリッシュな空間でありデートにぴったり。お手洗いならびにパウダールーム、ウォークイン・ワインセラーと何から何までクールです。オーナーシェフのムッシュ海道は日航ホテルの鉄板焼き部門から独立。静かな威厳を湛えたナイスミドルです。
汲み上げ湯葉と生ウニ。こちらも奇をてらわない率直なお皿ですが、素直に美味しい。やはりエスプーマやら何やらという流行の技巧は益体もない試みであったか、と色々と考えてしまうストレートなひと皿です。
フォアグラとイチヂクのポワレ。やはり簡明直截ではありますが、真っすぐな美味しさです。白ゴハンにのっけて食べても旨そう。
お魚はマトウダイ。ソースに魚汁(いしる)という魚醤を起用しており、複雑で深い味わいがきいています。そうめん南瓜のホロホロ感も楽しいひと皿。
お野菜は肉の付け合わせではなく個別に頂きます。これは良いプレゼンテーションですね。決して肉の脇役ではなく、こちら単体でひとつの料理として成立しています。とりわけヨモギの生麩をバリっと焼いたのが個人的にツボ。
バリっと焼き上がりました。これが思った以上にバリっと焼きあがっており、私の鉄板焼き史上においてかなり攻めた調理といって良いでしょう。サクサクとした歯ざわりに始まりジューシーな舌ざわり、濃密な脂の甘味。慎み深い肉の味わいです。
通常であれば白ゴハンのお食事セットなのですが、せっかくなので2千円の追加料金でノドグロ炒めごはんに変更して頂きました。結構なサイズのノドグロを鉄板でほぐしながら焼きつけながらチャーハン状に仕上げます。これはもう、参りましたと表現するほか無い美味しさですね。ノドグロの脂が米の一粒一粒にまでいきわたり、旨味の絨毯爆撃とも言える味わいです。
デザートはココナッツのアイスにシャインマスカット、和梨、パッションフルーツ。いずれも素材を活かした仕様であり、いま何を食べているのがハッキリとわかるのがいいですね。鉄板焼き屋のスイーツとは水菓子で適当に済まされる印象ですが、当店のデザートはかなりの本格派。
お会計はお食事だけで税サ込ひとりあたり1.5万円ほど。この日はコロナ的にお酒NGだったのですが、それなりに飲めばひとりあたり2万円強といったところでしょうか。一食としては中々の支払金額ですが、都心で同レベルのものを食べれば倍近く請求されることを考えるとありよりのあり。バリバリに緊張はしたくないけれど、手堅い味わいでシッポリしけこみたい夜にどうぞ。
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