海鮮丼 魚常(うおつね)/稚内

経営不振で閉業した「海の駅」を地元の老舗の魚屋「魚常明田鮮魚店」がまるっとお買い上げ。2021年春に「稚内副港市場」としてハイパーリニューアルオープンです。
飲食店は大食堂「てっぺん食堂」と「海鮮丼 魚常」にカフェという布陣。我々が訪れた「海鮮丼 魚常」は小さいお店なのでグループ客には向きませんが、「てっぺん食堂」からでも注文することができる横丁スタイルです。
スペシャリテの「魚常特製海鮮丼」は1,100円と、観光地の食堂しては良心的な価格設定。ウニ丼は時価なのですが、この日は3千円とウニ丼としてはそう高くありません。
こちらは「かにいくら丼」。たっぷりのイクラにカニのほぐし身、脚、カニミソがコッテリと盛られています。この盛り付けで2千円は安い。
こちらはカニサイド。脚こそは数本ですが、ライスとカニの境界が曖昧になるほどほぐし身が敷き詰められており、その繊維にカニミソの旨味を馴染ませる心地よさといったらない。
3千円のウニ丼。え!この量で3千円!ミッチゲッソ!そして甘い!甘すぎるぅうう!ウニの種類はムラサキウニで、大将曰く「みんなムラサキウニを軽んじてるところがあるけど、このあたりのムラサキウニは昆布食べてて味が濃いの。そのへんのムラサキウニとはレベルが違う。バフンよりも高い値が付くことだってあるんだから」と私に好意的な蔑みを向けてきます。ジュンと来ちゃう。
驚きました。札幌や函館、釧路など北海道の観光客向けの市場にロクなメシ屋はありませんが、当市場はキッチリとした品質で地元価格。なるほど観光客ばかりでなく地元客が普通にランチだけに来たりしているのも納得です。稚内観光の際は是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。