宇宙軒食堂/片町(金沢)

金沢が誇るB級グルメの名店、金沢3強めし屋の一角をなす「宇宙軒食堂」。金沢随一の繁華街「片町」の裏路地にあります。北陸新幹線が開通し、東京在住者の中でも金沢通を自称する痛い輩が増えてきましたが、そういうのに「やっぱウチューケンのとんバラだよね?」とカマをかけてみましょう。
蛍光灯が燦燦と輝く味のある店内。大きなコの字型カウンターにテーブル席で、座席数は20ほどでしょう。1席づつにパーティションが固定されており、ひとりメシが前提のハードボイルドな定食屋です。この日のゲストは皆「とんバラ」を食べていたので、私もそれに倣います。
注文して数分で「とんバラ定食W」が着底。これは大きく草を生やしているというわけではなく、肉のダブル盛りという意味です。
主題の「とんバラ」。豚のバラ肉を薄く薄くスライスし、大きな鉄板でザザっと焼き上げたもの。松屋の豚バラ焼肉定食、もっと言えば大学生の自炊とそう変わらない料理であり、郷愁を誘います。つけダレのアルコール風味が強くチョコレートボンボン級であり、乳幼児にはキツいかもしれません。
ライスには2017年秋にデビューしたばかりの石川県オリジナル新品種「ひゃくまん穀」を起用。少し柔らかめに炊かれ、やはりノスタルジックな味わいです。
味噌汁は赤味噌。ネット上の口コミでは「ブロックの豚肉が入っている」とのことでしたが、私のものには煮崩れたワカメと豆腐しか入っていませんでした。そういえば今朝の私のめざまし占いは最下位であった。
通常の「とんバラ定食」は700円で、これだと肉の量は少ないので、一般的な食欲の成人男性は「とんバラ定食W」を注文しましょう。これだと1,050円。松屋の定食を超えるかと言われると微妙なところですが、まあ、ソウルフードとはそういうものなので、金沢通を気取るのであれば、話のタネに一度は訪れておきましょう。

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