寿司竜(すしたつ)/稚内

稚内駅から歩いてすぐにある老舗の「寿司竜(すしたつ)」。創業は昭和35年(1960年)。軒先にガチっとしたお品書きが掲げられており明朗会計。
店内はカウンターは10席ほどに小上がりと個室。予約してお邪魔したのですが、その管理は割と雑です。それもそのはず、長っ尻をしない地元客が大半であり、満席であっても10分か20分、店先で待っていれば入店できるという回転の良さ。然るに予約客よりもウォークインのほうが多いように感じました。
アルコールにつき、生ビールは500円、日本酒はグラスで700円~と居酒屋価格。やっぱ鮨屋の酒はこれぐらいであって欲しい。東京の某鮨店で1合8千円を請求されたという知人の伝説を思い出しました。
お通しは枝豆に茹でた海老、魚介の出汁を忍ばせた卵豆腐(?)。ビールに枝豆って、糖質オン糖質なのにどうしてこんなにも合うのだろう。ラーメンにチャーハンみたいなもんなんかな。
当店はにぎりのセットはあるものの、基本的にはアラカルト形式なので、好きにやらせて頂きます。まずはお造りの盛り合わせ。この写真は2人前なのですが、この量および質で2,800円というのは大変お買い得。とりわけタコの歯ごたえとウニの滑らかさが心に残りました。
ホタテのバター焼き。勝手に貝殻ごと焼いたやつにバターをぶち込むものを想像していたのですが、きちんと切りそろえられた貝柱たちでした。
焼魚にはホッケをチョイス。美味しいですが、これはまあ、そのへんの居酒屋のホッケ焼きと大差ないですね。当店がどうのこうのというわけではなく、このあたりホッケという素材の上限値なのかもしれません。
にぎりのセットは「おまかせ」を注文。お造りと同様、このタネ質を考えれば3千円というのは破格の価格設定です。ちなみに「特上」は2,500円であり、差分はアワビの有無とのことでした。
「おまかせ」続く。この皿は2人分であり、つまり「おまかせ」の1人前は先の写真にこの写真の半分で、合計11カン。その中にウニが2つも入るのはさすがの地の利と言えるでしょう。ちなみに、「本当はバフンを出したかったが入荷が無かった」とのことでした。
「おまかせ」に付帯するお椀で〆てごちそうさまでした。以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり8千円。同じラインナップを銀座で食べることを考えれば考えられない費用対効果です。

一方で、ピンのピンの素材を用いて1か月も熟成させた港区の鮨などとはベクトルが真逆であり、味も値段もややこしい鮨ヲタにとっては物足りなく感じるかもしれません。居酒屋の延長で、新鮮な魚介類を気軽に楽しむつもりでどうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。