軽井沢から南西へ車で1時間ほどの場所にある「職人館(しょくにんかん)」。全国に名を馳せる蕎麦の名店であり、蕎麦ヲタの聖地とさえ言われています。田んぼの真ん中、まさに田園風景といったロケーションであり雰囲気抜群。
お店は古民家をリノベしたものであり、まるで田舎の親戚の家に遊びに来たかのよう。北沢正和シェフは元公務員。1992年に当店を開業し、地産地消・ファームトゥテーブルの草分けとなりました。さしずめ和製ミッシェル・ブラスといったところでしょうか。食後は優しく送り出してくれるなど頼りがいのあるボスです。
お通しのお豆さんに、
原種(?)のキュウリ。いわゆるキュウリのトゲトゲはなくズッキーニ寄りの瑞々しさで面白い。断面も独特で、トライポフォビアには厳しい意匠かもしれません。「そばの実と無農薬米・雑穀のリゾット風」。おおー、何だか前衛的なイタリアンで供されるリゾットのようです。地味な色合いがベースのはずなのに見目麗しい。味わいは穀物の深みがあり、しみじみと身体に語り掛けてきます。当店を訪れたのであれば必食。個人的には蕎麦よりもコチラが心に残りました。
スペシャリテの「佐久野そば」。地元の蕎麦を石臼挽きした、つなぎ無しの風味豊かなもの。中々の太麺で、わしゃわしゃと噛み応えたっぷり。香りが強く大地の味わいが圧倒的で、これは旨い蕎麦だなあ。
こちらは「挽きぐるみそば」。全粒粉で打っているためより複雑な味覚が楽しめます。暴力的に迫り来る蕎麦の風味。
他方、そば湯は実に澄んだお湯に近いもの。圧倒的な蕎麦を前にして蕎麦湯はこのぐらいでちょうど良いという意味なのでしょうか。いずれの蕎麦も1,500円前後。東京の気取った蕎麦屋に比べるとポーションが倍ぐらいあるので、ある意味では非常にお買い得と言えるでしょう。個人的にはリゾットが超旨かったので、次回は蕎麦だけでに留まらないコース料理を試してみたいと思いました。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。