支笏湖畔にあるオーベルジュ「レイクサイドヴィラ翠明閣」のメインダイニング「アズーロ(azzurro)」。ランチはビジターでの利用も可能ですが、ディナーおよび朝食は宿泊者のみ。
あと数歩で支笏湖、といった立地であり、まるで船の上で食事しているかのような気分です。ちなみに8室しかないスモールラグジュアリーであるため、当店のディナーを楽しんだ人口は非常に限られるでしょう。
根本明弘シェフは根室出身。根室や札幌のレストランで腕を磨いた後、当店のシェフに就任。
今夜は飲むぞ、とヘパリーゼを摂取してから臨んだのですが、アルコールメニューの少なさに拍子抜け。ワインの選択肢も少ないため、まずはビールからのグラスワインを白赤飲んでフィニッシュであり、ヘパリーゼの無駄遣いでした。予約サイトからの特典でチーズの盛り合わせをサービスして頂きました。いずれも北海道産のチーズであり、ヨーロッパのものに勝るとも劣らず。また、最初にテーブルに置いておいて、つなぎとしてチョイチョイつまめるのがいいですね。皿出しのテンポに自信がないお店はこの方式を採用すると良いでしょう。
コールラビの冷製ポタージュで始まります。コールラビとはカブとキャベツのあいのこ的な野菜であり、大地の甘味を感じます。
函館産のマダイのカルパッチョ。ほえー、あのへんでマダイなんか獲れるんだ。厚切りで筋肉質な食感。ニンニクマヨネーズ的なアジコイメソースと共にわかり易い味覚です。
積丹の塩水ウニの冷製カッペリーニ。ウニを溶いてそのままパスタソースにしたかのような濃密な味わいであり、手堅い美味しさです。ウニはすごいなあ、そのまま食べてもいいし、いろいろ調理してもいい。
根室産の銀鮭のソテーにピュアホワイト(トウモロコシ)のピラフ。パンチのあるシャケの味覚にトリュフとアンチョビの風味がコラボする。お米も美味しいし、日本人であれば誰もが納得する美味しさでしょう。
「トムラウシジャージー牛」という、トムラウシ山のふもとで育った乳牛を食用に転用したサーロイン。どこから枯れた雰囲気のある渋い味わいであり、しみじみ系のメインディッシュでした。
スイカのソルベ。見た目以上にスイカスイカしており、夏にぴったりのひと口です。こちらは白桃のソルベにアールグレイのジュレ。クリーム部分はアマレット。美味しいのですが、またソルベか、というお気持ちは拭えません。甘党の私としては、もっとオーブンやら何やらを駆使した派手派手なデザートを食べたかった。
カモミールで〆。先のデザートもそうでしたが、小菓子が無いのも少し残念。ただし全体を通してどの皿も手堅く美味しく、食材も北海道のものを多用しているのが旅行者にとっては嬉しい。ワインリストと甘味が充実したらかなり印象が違うと思うんだけどな。ワインの持ち込みできるんかな。
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- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
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- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。