勝どきの鮨屋「鮨 向」が恵比寿に出店。緊急事態宣言中も年中無休で酒を出し続けるというハードボイルドな鮨屋です。それにしても、手には刷り込ませるのに飲んだらダメなんてヘンテコな世界になったものである。
店内はカウンターが6席にテーブルがいくつかで、トータルでは20席弱でしょうか。禁酒法の時代に夜遅くまで酒が飲める、しかもソムリエが在職しているとのことで期待に胸を膨らませペアリングでお願いしたのですが、全体を通してパっとしないセレクションでした。
席に着くとすぐにバババとツマミが供されます。もずくにトウモロコシのすり流し、そら豆。アンキモは時節柄少し脂は抜けていますが、災い転じてサッパリとした風味でちょうど良かった。ガリはカットが大きくリンゴのような味わいで面白い仕立てです。
カツオも先のアンキモ同様にサッパリとした味わい。玉ねぎ醤油にコクがあってグッドです。タイラガイは磯辺焼き風に。悪くはないのですが、ひと品全体を占める割合として海苔が支配的なのに、その海苔の品質がイマイチで、タイラガイも巻き添えを食ったという印象です。
白エビ。優しい甘味に海老のコク。量もたっぷりでお酒によく合います。にぎりに入ります。イカは厚みがありムシャムシャとした食感で食べ応えあり。
ヒラメはじっとりと締められており濃厚な味わいです。
赤貝は少しクセが強く、好みが分かれるところかもしれません。
その赤貝のヒモ部分。さらにクセは増し、踏み込みにくさが感じられました。イサキは肉厚。トロっとした舌触りに品の良い旨味。余韻も長く美味。
大トロは美味しいのですが、先のイサキや後続のノドグロのほうがパンチがあったような気がします。
ノドグロも厚切り。もしゃもしゃと口いっぱいに頬張る幸せがここにあります。
ウニとイクラ。先の大トロと同様、美味しいのですが記憶には残らない。その他の旬の魚のほうが印象が良かったので、マグロ・ウニといった割高食材を敢えて外すのも一案かもしれません。
玉子はジェンガみたいなプレゼンテーションで珍しいですが、一般的な玉子の味わい。
お椀とデザートで〆てごちそうさまでした。
お会計につき、グルメサイトの割引料金を活用してひとりあたり15,000円でしたが、正規料金であれば23,100円とのこと。さすがにこのクオリティで23,100円も請求されれば普通の鮨好きであれば暴れてしまうところであり、どのグルメサイトを確認しても極端な割引が提示されていたので、正規料金とは何かを考えさせられるお店でした。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- ALTRO!(アルトロ) ←十番カラペティ・バトゥバ!の姉妹店。居心地最高。
- マッシュルーム(MUSHROOM) ←3皿取ってデザートやお茶までついて3,500円ってむっちゃ安くない?
- アリゴトゥール(Aligoteur Que du bonheur) ←美味しいを突き詰める旨いもの屋。
- 筑紫樓(つくしろう) ←ランチタイムは社会貢献活動かもしれませんが、それにしてもお得である。
- 鍈輝(えいき) ←コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。
- クンビラ(KHUMBILA) ←スパイスのオーケストラともいうべき複雑な味わいが五感に押し寄せる。
- ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア(BRACERIA DELIZIOSO ITALIA) ←ランチの信じがたい費用対効果。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- スブリデオ レストラーレ ←チーズ好きのカーバ神殿。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- チャイニーズダイニング方哉(まさや) ←ランチの千円担々麺が絶品。
- 蕎麦懐石 義(ぎ) ←飲み物付きランチコース4千円がほんとうにすばらしい。
- えびすの安兵衛 ←超行列店。高知名物「屋台餃子」を恵比寿の地で!