私は映画「ホワイトアウト」で織田裕二超カッコエエと痺れたクチなのですが、劇中でテロリストが占拠したダムのロケ地が「黒部ダム」。もちろん織田関係なく有名な観光地なのですが、東京からのアクセスが難しい。
■グリーンビュー立山
富山県のセルフアンバサダーを務める私は、まずは「北陸新幹線かがやき」で富山駅に降り立ち、「富山地方鉄道立山線」に乗り換えて1時間。立山黒部横断の拠点として立山山麓立山駅すぐ近くの「グリーンビュー立山」に滞在。ちなみに立山駅付近は何もないので、このあたりで時間をつぶすのは難しいことをご承知おきください。■立山ケーブルカー(立山→美女平)
https://www.alpen-route.com/index.php
立山黒部横断の富山側の拠点は「立山駅」で、長野側の拠点は「扇沢駅」。その間を行き来するには6種類の乗り物を乗り繋ぐ必要があるのですが、全ては「立山黒部アルペンルート」という会社(?)が仕切っており、通しでチケットを買うことができます。
出発地点における乗車時間指定のチケットのみ予約できるので、そうしておくと良いでしょう。ちなみに朝イチが一番混雑します。山の民は朝が早い。
■立山高原バス(美女平→室堂)
ケーブルカーの次はバスに乗り換え。2プランあって、山頂近くの「室堂」まで一気に登ってしまうか、途中の「弥陀ヶ原」で降りて散策するか。乗客の95%は前者を選択していたので、つまりそういうことです。
■室堂
美女平からバスに揺られて1時間で立山登山の入り口「室堂」に到着。ここで乗客は山登りのガチ勢か、高原お散歩ハイジ勢かの二手に分かれます。もちろん私は当然に後者です。ちなみにトップシーズンは富山駅から室堂までの直通バスもあるので、ライトな観光客は富山シティに泊まってそちらを利用した方が効率的かもしれません。
室堂はのんびり過ごして所要時間1.5~2時間ほど。日帰り温泉などもあるので、それを利用した場合はもっとでしょう。標高2,450メートルと思いのほか高いため、宿泊施設やレストランなどは充実していません。そういう意味で、ツェルマットやヴェルビエなどヨーロッパの山岳リゾートはレベルが高かった。
■立山トンネルトロリーバス(室堂→大観峰)
立山の主峰「雄山」直下を貫通するトロリーバス。基本的に真っ暗で、スペースマウンテンのようなアトラクション感があります。ちなみにトロリーバスとはガソリンではなく電気を動力として走るバスのことで、日本では立山黒部でしか走っていないそうです。
■立山ロープウェイ(大観峰→黒部平)
「大観峰」とゴージャスな地名ではありますが、見どころは無く、皆バスからロープウェイにサラっと乗り換えるだけです。ちょっとした展望台は在って、そこをチラッと覗くぐらいの乗り換え時間は用意してくれているのが嬉しい。
こちらは「黒部平」の屋上テラス。ここで弁当でも食べたい気分ですが、陽を遮るものが一切ないので夏場は厳しい。こちらも出発時間が近くなるとアナウンスをしてくれるので、そのあたり旅行者向けの立ち回りは手慣れたものです。
■黒部ケーブルカー(黒部平→黒部湖)
続いてケーブルカーでググっと高度を下げていきます。ちなみに「ケーブルカー」と「ロープウェイ」を混同している方がたまにいますが、「ケーブルカー」とは急斜面をケーブルが繋がれた車両で、ウインチで巻き上げるタイプのものを指します。車両に動力を積まないため推進効率が良い。対して吊っているのは「ロープウェイ」。■黒部湖
ホワイトアウトに到着しました。おー、これこれ。これが見たかった。ドーンとでっかい湖が、マジでダムでせき止められている様は見ていて気持ちが良い。そう、私は自然美よりも人工の様式美を好むのです。
ちなみに観光シーズンはダム側が気を使ってくれ、「観光放水」と称して必要もないのに常に放水してくれます。太陽のタイミングが良ければ虹もバッチリ。さすがに巨大なダムなので、色々見て回るだけで1時間以上を要し、船とか乗るともっとです。
■関電トンネル電気バス(黒部ダム→扇沢)
こちらも前述のトロリーバスが走るのですが、長野から黒部ダムだけ見て帰る日帰り組と合流するためかなり混雑します。上記のサイトを参考に、ご自身の旅行スタイルと重ね合わせて策を練りましょう。■扇沢
立山黒部観光の長野側の出発地点。ですが、レストラン(上記は「黒部ダムカレー」。詳細は別記事にて)と売店がひとつづつあるだけで、あとは駐車場とバスしかありません。
ここから東京へ向かうルートは大きく2つ。バスで信濃大町にタッチし、そこから松本に向かい「特急あずさ」で新宿へ。もしくはバスで長野駅に向かい、そこから新幹線。いずれも本数が少なく乗車時間も長いので、改めて東京からのアクセスが悪い観光地だなと実感しました。
それでも黒部ダムのスケール感は見事であり、立山における澄んだ風景は一見の価値あり。海のリゾートに比べ客層が良く、規律正しく意識が高いのも好印象。土曜に富山入りして鮨でも食べて(駅から近くてハコの大きい「鮨人(すしじん)」がオススメ)、日曜日に一気に立山黒部を駆け抜けましょう。家でゴロゴロYoutubeばっか見てる週末とはサヨナラ。
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富山は食の宝庫。天然の生け簀である富山湾にジビエや山菜が豊富な山々、そして米と水。レストランのレベルは非常に高く、支払金額は東京の3割引~半額の印象です。だいぶ調子に乗ってきた金沢が嫌な方は是非とも富山に。
- 鮨 大門 ←銀座の半額で味と居心地の良さはそれ以上。
- ふじ居(ふじい) ←非の打ち所がない日本料理店。
- ひまわり食堂 ←こねくり回すことなく、いま何を食べているのかハッキリとわかる味と量。
- ランソレイエ(Lensoleiller) ←フランスの田舎のレストランをそのまま持ってきたような感性。
- カーヴ ユノキ(Cave Yunoki) ←料理のほとんどを富山の食材で勝負しているのが素晴らしい。
- 日本料理 山崎 ←ミシュラン3ツ星和食がこの価格で楽しめるのは富山の奇跡。
- 鮨人 ←富山で一番人気のある鮨屋。
- 天ぷら小泉 たかの ←富山駅から近く昼も夜も空いているのが旅行者にとっても便利。
- KAWAZ(カワズ) ←「レヴォ(L'evo)」でスーシェフだったムッシュ川崎淳が富山市内で開業。
- レヴォ(L'evo) ←クマがぶらさがっている。
- パティスリー ジラフ(PATISSERIE LA GIRAFE) ←サロショを席巻する予感。