鮨処 すし富/淡路島

淡路ハイウェイオアシスにある「鮨処 すし富」。淡路ハイウェイオアシスとは高速道路の淡路サービスエリアと繋がっている公園兼商業施設のことであり(詳しい定義は知らん)、その中に妙に評判の良い鮨屋があったのでお邪魔することに。
軒先に置かれるファミレス式の記帳台。注意書きに「予約の方を優先してお通しします」的なことが書かれており、まさかサービスエリアのレストランで予約を受け付けるとは恐れ入る。人気のほどが伺えます。
店内はかなり広く、家族連れを意図したテーブル席が中心。それらの座席は圧倒的にやかましいので、普通の大人1~2人客であればカウンター席を選んだほうが賢明でしょう。窓からは淡路島公園の緑が映えており、「南禅寺 さえ㐂(さえき)」とまでは言いませんが実に雰囲気が良いです。
にぎりの「特上」を注文は5,000円。恐らくサービスエリアで注文する食事としては人生で最高値です。前菜はヒラメにマグロの酒盗、ナスのオランダ煮と、サービスエリアで食べるランチの前菜としては人生で最も凝っています。
淡路牛の肉寿司。ガスバーナーでブァアアって炙って鮨としてはどうなんだろうと思う反面、サービスエリアの飲食店で観光客向けにメッセージを示すという意味では重要な位置づけです。味は文句なしに美味しい。
にぎりだけかと思いきや、天ぷらも出てきました。しかもタネはハモに玉ねぎ南瓜と自慢の食材ばかりで、ハモの歯ごたえと玉ねぎの甘味は中々のものです。
鳴門海峡のマダイ。フレッシュかつ筋肉質で見た目以上の食べ応え。
メイタガレイ。コリコリっとした食感で、先のマダイと同様に食べ応えあり。
太刀魚。塩焼きで食べることが殆どのタネですが、なかなかどうして生食も悪くない。ホロっとほどける食感が独特です。
シマアジもやはりマッチョな仕上がり。ゴリゴリとした歯ごたえがクセになります。
車海老。ボタンエビでも甘海老でもなく車海老を生で出すのは東京の人にとっては物珍しいですが、このあたりでは割にメジャーなようです。
ヘッドはバーンしてシェルごとイートします。ドロっとしたミソが酒を呼ぶ。いや運転があるので飲めませんが、当店は高速直結ながらグレーな位置づけらしく、普通にアルコールを置いています。
沼島の鱧。これは美味しいですねえ、身が厚く迫力がある。東京在住のアナタが普段そこらへんの日本料理屋で夏のマナーとばかりに出されるハモの3倍ぐらい美味しいですよ。
タイラガイはサックリした歯ざわりで実にフレッシュ。嫌な臭みなど1ミリもありません。
由良港の赤雲丹。幻とも言われる希少品であり、なるほど由良ゆらを彷彿とさせる若さと官能を楽しむ逸品です。
トロ。焼肉のようにわかり易い味わいであり、口に含むとジュワっと脂が広がります。以上のコースが5千円。
ここからは追加。まずは海鮮巻きなので、この写真のものはハーフサイズ(連れとシェアした)で、この巻物が倍量あって1,530円という奇跡の費用対効果。嘘やろ東京のアホな鮨屋なら5千円は取るやろという迫力であり、皆さん当店を訪れた際にはコチラを必ず注文するようにしましょう。
トロたく。タクアンがちょっと雑な味覚ではありますが、トロが前述のタネと同じもので素直に美味しい。
お椀で〆てごちそうさまでした。追加の海鮮巻きのボリューム感が想定外でかなりの満腹選手権ながらお会計はひとりあたり6千円強。サービスエリアでのランチとしては贅沢ですが、このタネ質の鮨を食べてこの支払金額はリーズナブル。もちろん土地柄かタネは切って出しただけで仕事も熟成もへったくれもありませんが、それはそれで郷土料理としてありよりのあり。車で淡路島に来る機会があれば是非どうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。