札幌の中心地から車で30分ほど。小別沢トンネルを抜け舗装されていない道を行くと広がるビニールハウス群。この農地の中に循環型農園レストラン「アグリスケープ(AGRISCAPE)」があります。
IT長者の軽井沢の別荘のようにクールなエクステリア。店内にはレストランのほか、採れたての野菜や総菜などを販売する直売所も設けられており、札幌在住者であれば高品質な食材の買い出し先としても良いでしょう。
店内は窓の大きなメインダイニングに個室がふたつ(写真は公式ウェブサイトより)。個室であれば子連れでもOKとのこと。吉田夏織シェフは「イルギオットーネ丸の内」「ル・ミュゼ」「レストランSIO」などで経験を積み、当店の開業から厨房を預かっています。ところで当店はサービスのクオリティが壊滅的ですね。ゲストを席に通したら役目は終わったとばかりに放置プレイでおしゃべりに興じる。こちらから働きかけない限りは全く動こうとしないキッチュな対応で腹たつのり。
すぐそこで平飼いしている鶏肉。ゴリゴリと恐ろしくマッチョで、ブロイラーとはまるで別物の生物。噛みしめるたびに肉の旨味が滲み出て来、肉そのものが旨い。和牛よりも鶏のほうが扱いが格上なのは極めて珍しいですが、その位置づけにも納得の味わいです。
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日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。
この調子では素直に食事を楽しむことはできないだろうと早々に判断し、もうちょっとしっかりやれと闘魂注入のために苦情を申し入れる。するとお待たせしてスミマセンの一言もなく、あろうことかヒステリックな空気を滲ませながら20分の放置プレイはウチでは通常の運用だと抗弁するというあたおか対応。こんなめちゃくちゃな客あしらいでサービス料を取るとは図々しい。SAPIXからやり直せ。バケツを持って廊下に立っていろ。
こちらもカブ。またカブかよと思いきやベクトルの異なる調理および調味で美味しい。
自家製のシャルキュトリ。パテドカンパーニュにサラミにベーコン。いずれも素材の味が濃く、旅行中でなければ直売所でお土産として買って帰りたいくらいのクオリティです。
ハーブサラダ。朝採れというかさっき採れのニュアンスが伝わる瑞々しさ。すぐそこで産まれたばかりの卵も清澄にして濃密な味わい。これ毎日食べたいなあ。西麻布「リニュ(Li.nu)」を彷彿とさせる味わいであり、人生でトップクラスに美味しいサラダでした。道産の和牛に丸ズッキーニ。お肉はまあ、普通に美味しいという感じですが、丸ズッキーニがべらぼうに美味しいですねえ。表面は味噌を塗ってカリっと仕上げつつ、実そのものはジューシーで弾力がある。どちらが付け合わせなのかわからなくという面白いひと皿です。
ジャガイモを練り込んだパン。これはこれで美味しいのですが、全体を通して薄味で淡白な料理が続くので、パンについては色んな具を入れてもっとややこしい味わいを表現しても良いかもしれません。すぐそこで平飼いしている鶏肉。ゴリゴリと恐ろしくマッチョで、ブロイラーとはまるで別物の生物。噛みしめるたびに肉の旨味が滲み出て来、肉そのものが旨い。和牛よりも鶏のほうが扱いが格上なのは極めて珍しいですが、その位置づけにも納得の味わいです。
デザートは採れたてのブルーベリーが印象的。メロンのソースも濃密な味わいでグッドです。
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採れたばかりのフレッシュなハーブティーで〆。ごちそうさまでした。運転があり酒を飲まなかったためお会計はひとりあたり1.5万円ほど。お店のコンセプトは素晴らしく、料理も素材を活かした見事なものだったのでこの支払金額はリーズナブルと言えるでしょう。
しかしながらサービスの程度があまりにも低く、結局は嫌な思い出しか残りませんでした。全てを台無しにするサービス陣。これでは厨房が可哀相である。恐らく給仕たちはきちんとしたレストランでまともなサービスを体験したことが無い素人集団で、職業意識の欠落どころこか元々そういった概念すら存在しないアナザーディメンションで生きて来たのでしょう。
同じ農家レストランでも、じいさんばあさんがサービス料を取らずにのんびりやってる店であれば私もうるさいことは言いません。しかしながらスタイリッシュなウェブサイトで「私たちは最先端の循環型農園レストランやでぇ」と謳いつつ、気取った態度で自分たちの立場を正当化しサービス料まで徴収しておきながらこのオペレーションのレベルの低さは恨み骨髄に徹する。サービス料とは自動的に1割値上げして良いお店側へのボーナスではなく、プロとしてのサービスを提供しますよという選手宣誓であるということを自覚すべきです。
一方で、まともなサービスマンがひとり参画するだけで大化けしそうな気配も感じます。上手くやれば日本の「Blue Hill At Stone Barns」とも成り得る。「アグリスケープにまともなサービスを置こう」とクラウドファンディングでも立ち上げたくなったランチでした。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- 銀座 大石/銀座 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に。
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。
- ル マルタン ペシュール(LE MARTIN PECHEUR)/吹上(名古屋) ←フランス料理という文化に対する並々ならぬ愛情を感じました。