門前仲町の高速高架下あたりにあるイタリアン「パッソ・ア・パッソ (Passo a Passo) 」。東京東部の下町ながら都内全域にその評判を轟かせる実力派。食べログではブロンズメダルを獲得し、百名店にも選出されています。
テーブル数卓のみの小さな店内。奥のシェフとトークできるエリアが常連席で、入ってすぐのゾーンがその他の客に分類されているようで、これはなかなか良いアイデア(写真は食べログ公式ページより)。前夜は真隣の客に対しての接客ベッタリおまけもタップリで心を乱されたので、当店では安らかな気持ちで食事に集中できました。
有馬邦明シェフは90年代に渡伊しトスカーナなどで腕を磨き、帰国後2002年に当店をオープン。20周年はもう目の前であり、すっかり老舗の仲間入り。
お料理とそれに合わせたワインに炭酸水などを飲み、お会計はひとりあたり2万円弱と嬉しい価格ゾーンです。ワインはイタリアものを中心にマニアックなセレクション。常連客を含め店内の客全員がペアリングで臨んでいたので、恐らくそれが当店を楽しむコツなのでしょう。
ところで当店は料理の説明がすげえ長いですね。料理を供される際の説明は良いとして、食べ終わって下膳する際にも改めて料理に係る超ロングトークが続きます。客の話題に割り込んでまで押しつけがましいトークを繰り広げる必要はあるのか。そもそも俺、デート中なんだけど。この調子だと接待では厳しいなと思った瞬間でした。六本木「Takumi(タクミ)」みたいに紙に書いて置いておいてくれると嬉しいのだけど。
これは何という料理だろう、ドロドロと獰猛な舌ざわりであり、アワビの肝(?)を凝縮したような悪魔的な旨さがあります。アワビの身そのものの食感も楽しい。
小体な店ながらパンの取り扱いは多彩であり、とりわけ魚介の出汁(?)を練り込んだパンが私好み。
パッパルデッレはこれでもかというほど幅が広く麺というよりも生地であり、ライトなラザーニャを食べているかのよう。ソースはやはり魚介主体で、カニの旨味が壮観。
〆のパスタにポモドーロ。冒頭のトマトのテリーヌが絶品でしたが、やはりパスタソースに化けても絶品です。ところで最近、〆のパスタを出すイタリア料理店が増えましたが、〆に炭水化物を食べたいのは日本人のDNAに刻み込まれたフェティシズムなのでしょう。
デザートはチョコのセミフレッドにあまおうのアイスにメロンにマンゴー、ほおずき。いずれの素材も味が濃く調和というよりもフェスティバルと評すべき味の多さで食べ応えあり。
小体な店ながらパンの取り扱いは多彩であり、とりわけ魚介の出汁(?)を練り込んだパンが私好み。
パッパルデッレはこれでもかというほど幅が広く麺というよりも生地であり、ライトなラザーニャを食べているかのよう。ソースはやはり魚介主体で、カニの旨味が壮観。
スフォルマート。イタリア流の茶碗蒸しともいうべき料理であり、今回はそのベースにニンジンをたっぷりと用いています。馬肉のラグーやカチョカヴァロ(伸びるチーズ)も気前の良い放り込み方であり、茶碗蒸しながらどっしりと酒の進む一皿でした。
メインはホロホロ鳥。悪くないのですが、これまでの押し出しの強い料理の数々に比べると陰に隠れてしまった気がします。常連客はAWはジビエ、その他の季節は馬肉を食べたりするようなので、次回はリクエストしてみよう。〆のパスタにポモドーロ。冒頭のトマトのテリーヌが絶品でしたが、やはりパスタソースに化けても絶品です。ところで最近、〆のパスタを出すイタリア料理店が増えましたが、〆に炭水化物を食べたいのは日本人のDNAに刻み込まれたフェティシズムなのでしょう。
デザートはチョコのセミフレッドにあまおうのアイスにメロンにマンゴー、ほおずき。いずれの素材も味が濃く調和というよりもフェスティバルと評すべき味の多さで食べ応えあり。
種々の小菓子とハーブティーで〆てごちそうさまでした。
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冒頭に記した通り、お料理とそれに合わせたワインに炭酸水などを飲み、お会計はひとりあたり2万円弱と嬉しい価格ゾーンです。料理はいずれも屈託のない味わいで、わかりやすく美味しい。量もたっぷり。
サービス面で洗練されていない部分はありますが、立地や価格帯を考えればそんなものかもしれません。黎明期のカップルや勝負のデートで訪れる色気はなく、気の置けないグルメ仲間とガッツリ旨いものを食べに行く、そんな用途に適していると思いました。
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- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。