金沢屈指の繁華街、片町から犀川大橋を渡ってすぐの場所にある「蛤坂まえかわ」。2020年冬にオープンしたばかりではありますが、あっという間に予約の取れない焼鳥屋の仲間入り。それもそのはず大将のムッシュ前川は、あの「鳥しき」出身なのです。
建物は築100年の町家をリノベしたもの。こんなに迫力のある風体の焼鳥屋は初めてです。7席のみのカウンターは漆塗りたっぷりでベリークール。外人連れてきたら超喜ばれそう。
前川良輝シェフは「鳥しき」を経てNY支店「鳥えん」の厨房を預かり、帰国後は地元の石川県で開業。鶏肉は「鳥しき」お馴染みの「伊達鶏」を用いていますが、その他の食材は積極的に北陸のものを起用しているそうです。
生ビールで乾杯。なのですが、妙に気取ったグラスならびに量であり、私のマウスで4口分ほどしかありません。これで千円弱とは許せん。その後、我々は最も安い日本酒のみに徹します。ほんとはビールをガブガブいきたかったんやけどな。
お通しに浅漬け。奥の春キャベツが美味。能登の塩を用いてササっと漬け込んでおり、上質な和風コールスローといった装いです。
「鳥しき」系列にしては珍しく一斉スタートのコース制です。まずはサビ焼き。雑味の無いクリアなササミの味わいが最初の第一歩として適任です。
続いてカシワ。鶏のモモの部分であり、筋肉質でありながらも軽やかなタッチ。タレではありますが控えめな調味なのも印象的。
お口直しが大根おろしではなく玉ねぎの土佐酢漬けなのが面白い。厚みのある酸味がギュっと味蕾を引き締めてくれます。
丁寧に丁寧に火を入れたズッキーニ。表面はパリっと香ばしく、内部は瑞々しくジューシー。ズッキーニという食材でここまで周到に調理する店はかなり珍しいと言えるでしょう。
お通しに浅漬け。奥の春キャベツが美味。能登の塩を用いてササっと漬け込んでおり、上質な和風コールスローといった装いです。
「鳥しき」系列にしては珍しく一斉スタートのコース制です。まずはサビ焼き。雑味の無いクリアなササミの味わいが最初の第一歩として適任です。
続いてカシワ。鶏のモモの部分であり、筋肉質でありながらも軽やかなタッチ。タレではありますが控えめな調味なのも印象的。
お口直しが大根おろしではなく玉ねぎの土佐酢漬けなのが面白い。厚みのある酸味がギュっと味蕾を引き締めてくれます。
丁寧に丁寧に火を入れたズッキーニ。表面はパリっと香ばしく、内部は瑞々しくジューシー。ズッキーニという食材でここまで周到に調理する店はかなり珍しいと言えるでしょう。
ちょうちん、なのですが、いわゆるキンカン部分の他にレバーとセセリ(?)が三位一体とされておりオリジナリティに溢れています。コリコリとした肉の食感にレバーのドロっとした味わい、液状化したキンカン。本日一番の1本でした。
この厚揚げはべらぼうに美味しいですねえ。作り立て揚げたての厚揚げをカリっと炙りたっぷりの薬味と共に頂きます。内部のお豆腐が水のように透き通っており、シルキーな口当たりに絶句します。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
それほど焼鳥に詳しいつもりは無いのですが、私のコメントが掲載されています。食べログ3.5以上の選び抜かれた名店を選抜し、お店の料理人の考えを含めて上手に整理された一冊。
冒頭のササミを大根おろしで頂きます。なるほどワサビでサッパリ食べるもよし、大根おろしでシャラっと食べるもよし。いずれにせよ魅力的な酒のツマミです。
特大サイズのボンジリ。まるで脂で揚げたかのように表面はカリッカリとしており、鰻の白焼きもかくやというジューシーさに心躍る。加賀蓮根もズッキーニと同様に、注意深く火を通していきます。辛抱強い調理だなあ。私などイラチなのですぐに薄切りにして強火でジャジャっとやってしまいそう。
ふりそではバリっとした皮目とムキっとした肉のバランスがちょうど良い。コッテリしたワインなどが良く合ったかもしれません。
つくねは大根おろしと共に。粗めに挽いた肉にコリっとしたナンコツの食感のアクセント。
つくねは大根おろしと共に。粗めに挽いた肉にコリっとしたナンコツの食感のアクセント。
肉料理なのにサッパリするすると胃袋に落ち着く逸品です。
マルハツが圧巻。心臓病とは無縁の健康で清らかな心臓が、ビクンビクンとした食感で迫り来る。それでいて嫌な臭みなどは全くなく、圧は強いものの余韻は控えめという面白い素材でした。
ビッグサイズの手羽先。やはり表面はバリっとジュワっと炙っており、皇室が食べるフライドチキンのようです。手でむしゃぶりつくものの妙に気品高い味わい。
内臓が重くなり始めたため追加の串はパスして〆のお食事へ。こちらはそぼろ丼。つくねに比べてより粗く挽かれており、調味も中々しっかりとして元気いっぱいの一杯です。
親子丼に悶絶。オレンジ入りの卵が言葉で素描しかねる濃厚さであり、最高級の卵かけごはんを食べているかのよう。鶏肉も雑に鍋に放り込むのではなく、炭火で丁寧に炙ってからという念の入れよう。我が心の親子丼第一位に認定します。
地元の日本酒の酒粕を用いたブランマンジェ。はっきりと日本酒を感じる味わいで魅力的。やはり外人に食べさせたら喜びそうな味覚です。一通りを食べ、ごはんものを追加し軽く飲んでひとりあたり1.3万円。金沢の焼鳥屋としては破格の値付けではありますが、焼鳥の聖地東京の名店と遜色のない、いや、独創性という意味では唯一無二の構成でした。鶏以外に地元の食材を多用しているのがいいですね。単に焼鳥というよりは、北陸の食材を楽しむお店と捉えたほうが良いかもしれません。1回転目は17:30スタートなので、新幹線の終電前でもワンチャンあるで。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- 鳥しき/目黒 ←究極の普通
- 鳥かど/目黒 ←究極の普通がオシャレに
- 鳥さわ/亀戸 ←焼鳥業界の最高峰「鳥しき」ののれん分け
- TORISAWA CA10AL(トリサワ カジュアル)/麻布十番 ←この価格で最高峰の味覚を実現している
- やきとり阿部/目黒 ←酒が安い
- やきとり陽火(はるか)/白金高輪 ←滞空時間の長いホームランのような食事
- 鍈輝(えいき)/恵比寿 ←私的コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店
- 蛤坂まえかわ(はまぐりざか)/金沢 ←北陸の食材を多用する独創的な焼鳥店。
- シノリ(Shinori )/武蔵小山 ←フレンチ焼鳥。焼鳥屋としてトップクラスに好きなお店。
- 床島/三軒茶屋 ←ふたりで好き放題飲み食いして12,000円程度
- 鳥政(とりまさ)/表参道 ←ランチの焼鳥丼が最高!
- 鳥竹 総本店/渋谷 ←何この費用対効果信じられない。
- やきとり 嶋家/麻布十番 ←無名ですがオススメ
- 焼き鳥 丈参(たけさん)/人形町 ←人気ですが店員の態度が最悪
- 瀧口/泉岳寺 ←4,800円のコースにしては素晴らしい出来。〆はトリュフ卵かけごはん!
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