cuisine urbaine lien(リアン)/西18丁目(札幌)

大通公園を西に向かった住宅街にある「cuisine urbaine lien(リアン)」。地元の素材を活かしたフランス料理が評判で、ミシュランでは1ツ星を獲得しゴエミヨにも掲載、食べログでは百名店に選出されています。
カウンター数席にテーブルがいくつか、トータルでは10席強のちょうど良いサイズ感。木下雄介シェフは札幌出身。日本各地のヒルトン系のレストランで腕を磨き、2012年に当店をオープン。禁酒法の時代に訪れたので、この日はアルコール無しです。
最初にスープ、と思いきや、ハーブティでした。まだまだ札幌は寒いので、これはこれでありよりのあり。
ニンジンのババロアに甘海老。どーんと甘い海老の風味を、これまたニンジンの深い甘味で受け止めます。
サクラマスのスモーク。香り高く、また表面をバリっと炙っており2層の香ばしさが楽しめます。
朝採れのホワイトアスパラ。シンプルにオリーブで風味づけし、塩気や旨味は生ハムのみといったシンプルな調味ですが、個人的にはもうちょっとややこしいコッテリした味付けのほうが好き。
こちらはホワイトアスパラをスープに。ひんやりと冷たく心地よい喉越し。アクセントに用いられたウニもちょうど良い存在。東京の、バカみたいにウニを盛り付ける文化はもうそろそろ止めにしたらよいと思います。
パンは凄く美味しいですねえ。深みがあって、穀物の複雑な旨味が噛みしめるほどに滲み出てきます。
お魚料理は真鯛のポワレ。圧巻は下に敷かれた毛ガニのリゾットならびに甘海老のソース。甲殻類の濃密な旨味がこれでもかというほど凝縮されており、甲殻類ヲタとしては激賞せざるを得ない美味しさです。
メインは和牛ホホ肉の煮込み。それほど好きではない料理なのですが、当店のそれは別格。ギッチリと煮込まれているはずなのに、しっかりと牛の弾力ならびに肉そのものの味わいが感じられ、なかなか珍しい仕立てです。ああ、ワインと共に楽しみたかった。

話は逸れますが、こういった状況をいつまでも平気の平左で要求するガースーと百合子は酒を飲まない人種なんだと思います。他方、デニーは気軽にBBQするあたり良く飲むんだと思います。
デザートは抹茶のフォンダンショコラ。塩ミルクのアイスと抹茶の苦みが相俟って心地よい締めくくり。
このサイズ感の店としては珍しく、かなりしっかりとしたお茶菓子も。先の七面倒くさいはずのフォンダンショコラもしかり、シェフはお菓子作りも得意なのかもしれません。

以上を食べ、お食事だけで6千円ポッキリ。恐らく酒をとっても1万円かそこらであり、なんという費用対効果なのでしょう。奇をてらわない正統的なフランス料理でお店の雰囲気も派手派手しくなく、こういうお店が近所にあるととても嬉しい。次回は夜に、しっかりとワインと共に楽しみたいと思います。

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