デニーが自粛を呼び掛けている期間中に、自身はちゃっかりバーベキューを楽しんでおり、そのせいでコロナが怒って今、沖縄は大変なことになっています。緊急事態宣言の対象地域に追加され、店内での酒類は禁止、レストランは20時で閉店と、我々はいつまでこの壮大な茶番に付き合わされなければならないのでしょうか。
ただしルームサービスであれば飲酒可ということだったので、ついカッとなってサロンを入れてしまいました。サロンについての細かな説明は割愛しますが、ワインラヴァーにとっては最高峰に位置づけられるシャンパーニュのひとつです。
コース料理をルームサービスとして用意するのはさすがに難しいとのことだったので、アミューズのみシャンパーニュと共に部屋のテラスで愉しみ、1本開けた後にレストランへ向かうという段取りに。奇しくもフランス人のようなディナーの楽しみ方となり、このような特別な時間を過ごせたのは1周まわってデニーのおかげかもしれません。
肝腎のワインの味わいですが、思いのほか香りは穏やかで酸味がどぎつく、正直おやっとした第一印象。しかし空気と馴染み温度にも落ち着きを見せた頃、繊細な口当たりをみせながらも王者(女王?)の風格とも言うべきパワーで鼻と口に迫って来ます。アミューズは純粋にキャビア。ややこしい調味は脇におき、さあシャンパーニュを純粋に楽しみなさい、という声が聞こえてきそうです。心頭滅却し椅子に正座した上で、黒い真珠と液状のダイヤを堪能させて頂きました。私はサロンを飛行機の上でしか飲んだことがなくて、正直その時は美味しいのかどうか良くわからなかったのですが(泡系飲料は気圧の関係で機上で味わうに不向き)、やはりきちんとした状態で愉しむと美味しいものですな。
前置きが長くなりました。日も暮れてきたのでレストラン棟に移動し、前菜から食事を再開します。前夜はフランス料理寄りの食事だったので、今夜はイタリアのニュアンスの強いコース仕立てです。地元で水揚げされたアカマチのマリネ。アカマチとは沖縄三大高級魚として知られているのですが、実に繊細もっと言えば極めて淡白な味わい。そこでキッチリとマリネし味の濃いガスパチョで風味を補強することでその課題を解決してみせたひと皿です。
パンは相変わらず美味しい。赤いほうには確かワインやカシスが練り込まれており、それ単体で食べても充分に楽しめる逸品です。
パスタはオレキエッテ。外観も食感も耳たぶののようにプニプニしており、小麦の風味もしっかりと感じられる見事な味わいです。風味の強化に燻製した鰻を用いているのもセンス抜群。ピパーチ(島こしょう)のオリエンタルな香りと共に唯一無二のパスタ料理でした。
魚介料理は伊勢海老のロースト。かなりのポーションの伊勢海老がシンプルにバーンとローストされています。濃厚なソースと共に海老好きにとっては身悶えする瞬間。ワインと共に楽しめなかったのが唯一の心残りです。
メインは今帰仁アグーの備長炭焼き。なるほど炭火の香りが強く食欲をそそります。適度に脂が落ち、代わりに焦げた香ばしさが胃袋を鷲掴み。しかしながら、おや、ヒレの部分が無いなと訝しんでいると、、、
〆のカレーにヒレカツとして再登板。きめ細やかな衣に完璧と言って良い火の通り。カレーというべきかソースキュリーというべきか、タレの部分の完成度がベリー高く、黒米(?)で色づいたライスも絶品。これはカツカレーではなく、別のまた何か新しい料理と呼ぶべきかもしれません。
お口直しにグァバ的なもの。ヨーグルトの酸味がもう一度胃袋を押し広げてスペースを作ってくれます。
デザートはカンノーロ。カンノーロとはシチリアの郷土菓子なのですが、こう、タテに置いて食べるのは初めて。「ドミニク・アンセル・ベーカリー」の「クッキーショット」を彷彿とさせる可愛らしさです。ただし見た目とは裏腹に、どっしりと濃い味わいで、濃密にして濃厚。ときおり気を失うほどに満腹になりました。
パスタはオレキエッテ。外観も食感も耳たぶののようにプニプニしており、小麦の風味もしっかりと感じられる見事な味わいです。風味の強化に燻製した鰻を用いているのもセンス抜群。ピパーチ(島こしょう)のオリエンタルな香りと共に唯一無二のパスタ料理でした。
魚介料理は伊勢海老のロースト。かなりのポーションの伊勢海老がシンプルにバーンとローストされています。濃厚なソースと共に海老好きにとっては身悶えする瞬間。ワインと共に楽しめなかったのが唯一の心残りです。
メインは今帰仁アグーの備長炭焼き。なるほど炭火の香りが強く食欲をそそります。適度に脂が落ち、代わりに焦げた香ばしさが胃袋を鷲掴み。しかしながら、おや、ヒレの部分が無いなと訝しんでいると、、、
〆のカレーにヒレカツとして再登板。きめ細やかな衣に完璧と言って良い火の通り。カレーというべきかソースキュリーというべきか、タレの部分の完成度がベリー高く、黒米(?)で色づいたライスも絶品。これはカツカレーではなく、別のまた何か新しい料理と呼ぶべきかもしれません。
お口直しにグァバ的なもの。ヨーグルトの酸味がもう一度胃袋を押し広げてスペースを作ってくれます。
デザートはカンノーロ。カンノーロとはシチリアの郷土菓子なのですが、こう、タテに置いて食べるのは初めて。「ドミニク・アンセル・ベーカリー」の「クッキーショット」を彷彿とさせる可愛らしさです。ただし見た目とは裏腹に、どっしりと濃い味わいで、濃密にして濃厚。ときおり気を失うほどに満腹になりました。
ハーブティーと共にお茶菓子を頂くのですが、その生チョコが琉球唐木すなわち地元のシナモンの一種を用いたものであり、最後の最後まで沖縄を楽しむことができ嬉しかった。
前夜に続き大満足。ゆうべはかなり攻めたフランス料理という印象でしたが、今夜は意外にも万人受けする料理構成かもしれません。もちろんこれらをフレンチだのイタリアンだのと分類することに意味はなく、あくまで地元の食材を最適にプレゼンテーションすることに徹しており、沖縄の食材の可能性を提案するメディアとしての役割を果たしていることが当館の社会的意義と言えるかもしれません。あなたの知らない沖縄料理の世界にようこそ。
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