京橋駅からすぐ首都高の下あたりの雑居ビル1階にある「フィオレンツァ(Fiorenza)」。ミシュランのビブグルマン(安旨店)に長年選出されており、食べログの百名店にも選ばれました。
店内はカウンター席にテーブルが数卓で20席強といったところ。なのですが、コロナ的にガラガラで我々の貸し切り状態でした。壁に描かれたトリックアートミュージアム調のだまし絵が印象的。
酒が安い。ビールは千円を切りグラスのスパークリングが千円。ボトルワインは3千円台から用意されており、気前よく飲むことができます。時短営業で2本目まで辿り着けなかったのが悔やまれます。お通しにバーニャカウダ。これはちょっとやっつけ仕事感があってイマイチ。野菜も新鮮とは言えません。オイシックスの野菜をカルディのバーニャカウダソースで食べた方が美味しい。
前菜盛り合わせ。色々と入っており味も悪くないのですが、盛り付けに余白が多く映えません。「ジョコンド」みたいに1皿にギュっと盛り込んだ方が迫力があって洗い物も少なくなってウィンウィンウィンなのに。
フォカッチャはフワっとした口当たり。ただし全体を通してかなりボリュームの大きいディナーだったので、パンはひとつに留めました。アスパラのフリットと生ハム。ジューシーな白アスパラをカリっと揚げ、旨味の強い生ハムで包み込みます。わかり易く直線的な味わいにコッテリとしたソースが美味しい。
ズッパ・ディ・ペッシェ。いわゆる魚介のスープであり、海の幸の出汁をクリーミーに仕上げています。特大のハマグリの歯ごたえが堪らん。メインは「マグレ鴨胸肉のロースト 蜂蜜スパイス風味」。凝縮感のある力強い鴨肉。量も結構あって食べ応え抜群。春の山菜を用いた付け合わせもグッドです。
ハーブティーで〆てごちそうさまでした。
〆は「本当のカルボナーラ」。生クリームもベーコンも使わないことが自慢のようですが、今時わざわざ声を大にして言うほどのものでも無い気がします。普通に美味しいのだから、韜晦なスタンスでいるほうがカッコイイと思うのだけれど。
デザートは「焼き芋バスチー」を選択。バスクチーズケーキほどしつこくなく、焼き芋の風味ならびにホクっとした食感が面白い。食べ物は美味しいのに、時短営業で追い立てられるようにされたのがとても残念。事前に連絡してくれれば予約時間を変えるなり日を改めるなりしたのに。私は悲しい。ハーブティーで〆てごちそうさまでした。
7千円のコース料理にふたりでボトル1本とグラスワインを1杯づつ飲んで、お会計はひとりあたり1.1万円。料理の質および量、ならびに銀座という立地を考えればかなりの費用対効果です。
今回は料理を次から次へとちょっぱやで出され、こちらは馬のように食べ続けなければならなかったのでロマンチックさは欠片も感じられず場面でうんざりしましたが、平時に訪れればまた印象は違うのかもしれません。
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