レイアウトはちょっと変わっていて、窓を向いたカウンター席に厨房を向いたカウンター席、テーブル席と3タイプ。トータルでは15席くらいかなあ。濱本直希シェフは「アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)」出身で、2011年に当店を開業。シェフとスタッフのツーマンセル体制で臨みます。
細かな値段は忘れたのですが、ワインペアリングが微妙に高い気がしたのでボトルで注文することに。なのですが、ワインリストは無くスタッフと相談しながら決めていくという私の苦手なスタイルであり結構下がりました。またこの配膳係も美容院のシャンプーのようなトーク力であり、言葉遣いも無茶苦茶。気の置けない居酒屋風イタリアンであれば何とも思いませんが、2万円近い客単価を取るのであればまともなサービスを配置して欲しいところです。
アミューズはブーダンノワール。豚の血を用いたグロ系料理ですが、かなりマイルドな口当たり。イチゴのパンチのある風味とも良く合い、幸先の良いスタートです。自家製のフォカッチャはムッチリとした食感で私好み。なんやかんやで3つも食べてしまいました。
サクラマスはレアにてご用意。皮目はバリっと炙っており、その食感と凝縮感のある脂身に目尻が下がる。山菜の苦みやブッラータのコクとも良く合い、おいしゅうございました。
サクラマスはレアにてご用意。皮目はバリっと炙っており、その食感と凝縮感のある脂身に目尻が下がる。山菜の苦みやブッラータのコクとも良く合い、おいしゅうございました。
ホワイトアスパラは細く凡庸な味わいであり、つい先日「ロマンティコ (Romantico)」でメジャー級のそれを食べて来た身にとってはついつい比べてしまいます。追加料金でトリュフを削ることができるとのことでしたが、本当にそれが美味しいと思うのであれば、最初から値上げしてそうしておくべきだとも思う。
パスタにはたっぷりのホタルイカに瀬戸内しいたけ、粉雪のように降り積もるカラスミ。これはもう、文句なしに美味しいですねえ。うっかり日本酒が欲しくなる旨味の強さであり、本日一番のお皿でした。
グラニテで口直ししつつ、、、メインは豚肉。どこぞの有名なブランド豚の炭火焼きだそうですがあまりピンとこず、合わせてもらったグラスワインにはもっとピンとこず私は激しく悲嘆した。昨日食べたラーメン屋のチャーシューのほうが美味しい。
デザートは日向夏主体。ココナッツのアイスにメレンゲ、ミントが散らされており、見た目そのままの味わいです。ほうじ茶風味のアイスモナカと紅茶で〆てごちそうさまでした。
コース料理をひと通り食べ、ふたりでボトルを1本にグラスワインを1杯づつ飲んでお会計はひとりあたり1.8万円ほど。まあ、こんなものでしょうか。イタリア料理としては高級な部類なはずなのに、不思議と高級感は感じられず、どういったシチュエーションで使うべきか右顧左眄した印象。もっと雑なイタリア食堂みたいな雰囲気の方が私にはフィットするのかもしれません。
関連記事
イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- プリズマ(PRISMA)/表参道 ←高価格帯のイタリア料理という意味では東京で一番好きなお店かもしれない。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- ロマンティコ(Romantico)/白金台 ←鉄壁の料理観。
- アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)/銀座 ←好き嫌いを超えた魅力。普遍性。
- ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原/箱根 ←最高の家畜体験。
- ひまわり食堂/富山市 ←こねくり回すことなく、いま何を食べているのかハッキリとわかる味と量。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。