RAMA(レイマ)/白金台

白金、って言っていいのかなあ。恵比寿三丁目の交差点から白金台方面の路地に入ったところに開業した「RAMA(レイマ)」。「白金 酉玉 本館」とかあのへんの高架下あたりです。大きなガラス窓から漏れ出てくる灯りが印象的。
鉄板焼き屋のように弧を描くカウンターは8席のみ。全体として照明は暗めなのですが、お料理などの手元は明るく照らされているといった面白い照明設計です。

青木克大シェフはイタリアで腕を磨き、帰国後は都内のイタリアンの料理長を歴任。2019年秋に当店のシェフに就任しました。実際の調理は二番手に権限委譲し、ご自身は積極的にサービス役に徹しているのが印象的。
ワインリストはなくシェフと相談しながら飲み物を決めていきます。私が楽しんだのはいずれもグラスで1,500円前後であり、この立地この雰囲気のお店としては悪くない価格設定です。夜遅くはワインバーとしての使い方もアリでしょう。
まずは「アニョロッティ ダル プリン」。ピエモンテ州の餃子みたいな料理ですが、当店は肉ではなく魚介が詰め込まれているのが面白い。旨味が強く濃厚な魚介類の味わいが瞬で泡を乾かします。
エディブルフラワーたっぷりのサラダ。自家製のマヨネーズやチーズ、マカジキ節などナチュラルな旨味で味を調えます。いかにも身体の良さそうな一皿であり胃心地が良い。
自家製のミルクパンは優しい味わい。黙っていたら無限に食べれてしまいそうなほどです。
シイタケにサルシッチャ(ソーセージ)を詰め込み衣をつけて揚げたもの。これがメンチカツというかコロッケというか、実に親しみやすい味わいであり、この料理を美味しくないという人は地球上に存在しないでしょう。ポーションもしっかりしており食べ応え抜群。
パスタはタヤリン。手打ちの生麺に出汁やバター、チーズをたっぷりとかけ、トリュフの香りをふわり。食欲を呼び起こす香りであり、素朴な味わいながらも不思議とゴージャスさを感じさせる一皿です。
メインはラム。肉そのものは見ての通りの美味しさですが、フキノトウ香る白ワインソースの感性が素晴らしい。こういったセンスの良さは都会ならでは。長い長い沖縄滞在から帰ってきたばかりでの食事だったので、なおいっそう感じ入ってしまいました。
デザートはバニラアイスにドライトマト由来の醤油ソースがけ。なるほど「アイスにかけるしょうゆ」的な深みがあり、これがトマトでできているのかと思うと不思議な気分です。

以上を食べ、ワインをグラスで2杯飲んでひとりあたり9千円強。酒の項でも述べましたが、この立地この雰囲気のお店としては悪くない支払金額です。今回はショートコースでの提供だったので、次回はフルパワーのコース料理で、フルパワーの飲みっぷりで参りたいと思います。デートにピッタシやで。

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