美ら海水族館近くのショッピングモール「ハナサキマルシェ(スタバがあるとこね)」に入居する「海邦丸(かいほうまる)」。もともとは本部町で営業していた居酒屋だそうで、「ハナサキマルシェ」のオープンと共に移転してきたそうです。
店内は広く、コンクリートがむき出しでがらんとした空間。コストコっぽい無機質なニュアンスがありますが、天井は高く換気は良く席の間隔は広く、アフターコロナに適した誂えと言えるでしょう。テーブル席もあれば小上がりもあり、家族連れに最適。
アルコールの絶対額は小さいのですが、量も少ない。もちろんガバガバ飲む雰囲気ではないし、何ならセルフサービスの水でOKな雰囲気なので、酒は調味料程度で充分でしょう。
「島らっきょう塩漬」が結構、いやかなり旨いです。何でも伊江島のおばーが手塩にかけて育てたものだそうで、わが心の島らっきょうランキングベスト10に入ります。刺身盛り合わせは千円ポッキリ。毎朝市場で仕入れる地魚であり、イカ以外は正直何を食べたのかよくわかりませんが、いずれもフレッシュでびっくりするほど美味しい。まさか観光地のフードコートちっくな飲食店でこんなにレベルの高い魚に出遭えるとは驚きです。
「もずくの天ぷら」は本部町のもの。ニュルっとした食感を保ちつつザックリと食感良く揚がっており高濃度。どういうわけか鶏肉も紛れ込んでおり、食べ応えのある逸品です。近海魚を丸ごと使った「魚のバター焼き」は日替わりで時価。この日の魚は「オジサン」。ダイバーには割に親しみ深い白身魚の高級魚です。白身ながらもコクのある味わいで、ガーリックバターでガガっと調味。素材の良さはもちろん調理も素晴らしかった。
「アオサと島豆腐の揚げ出し」。県産のアオサと地元の「山城豆腐」の豆腐を用いたものであり、大豆が密閉・密集・密接しています。こんなに食べ応えのある揚げ出し豆腐はなかなかないぞ。「ミミガー和え」は妙に出てくるのが遅く、これまでの経緯からすると、ひょっとして茹でるところから調理しているのではないかと思える期待感。そしてその期待にしっかりと応える味わいであり、豚の耳というグロめな食材であるのに瑞々しく、シークワサー風味のあっさりとした調味で乙な味。
他方、ラフティーは美味しいのですが、これまでの地元の魚オールスターズに比べると魅力は半減。魚の旨いこの店で食べる必要はなかったかなと反省です。
〆に「県産マグロ丼」。晴海で獲れるピンク色のダイヤモンドに比べると水っぽく感じますが、この質と量で千円ポッキリなのだから文句はありません。地味に付け合わせの切り干し大根やモズク酢も旨い。甲殻類の風味がきいた和風ビスク味噌汁なんてもう絶品。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり3千円強で済みました。最高か。美ら海水族館すぐ近くという観光地ど真ん中でありながらこの価格設定は良心的。加えて那覇のそこそこの有名居酒屋に比肩する料理の数々。魚の妙味。千円強の海鮮系の定食もあるので、美ら海水族館の前後に、何ならランチで中抜けして訪れましょう。オススメです。
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1年で10回沖縄を訪れることもあります。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
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