目黒でカレーと言えば「 LAND(ランド)」。平日の月~水が定休日で営業日も売り切れ仕舞いという異次元の営業スタイル。権之助坂を下り目黒川を越えて少しの場所に位置します。
正午オープンというのんびり屋。何が何でも食べ逃したくないので10分前に到着しました。その時点7~8人の待ち行列。君たちは仲間だ。事前にお店の方よりメニュー表が配布され、オープン前からオーダーを取り始めます。
店内は小さなテーブルがふたつにカウンター席のみ。トータルでは15席ほどでしょうか。コロナを意識した運営であり、大声での会話はNG(うるさいときちんと指導が入る)でどんなに寒くても窓は全開。ゲストは皆、コートを着たまま黙々とカレーに淫します。
私は「骨付き大山どりカレー」を注文。ベースは1,600円であり、ソース大盛りで追加300円です。ピラミッド状にライスを盛り付け、マッシュポテトを添え、骨付きの鶏肉をあしらい、カレーソースを流し込み、上からたっぷり魔法の粉をふりかけます。
おわ、美味しい。複雑なスパイスの痺れがジンジンに攻めて来、自然に汗が吹き出します。辛さレベルは4段階中の2なのですが、それでも風味豊かなスパイスをビシビシと感じます。それでいて、欧風カレーのように円やかで奥行きのある旨味も感じる。これは中毒性があるなあ。
ライスの盛り付けの特殊性はもちろん、小鍋とコンロで小分けに炊いているのも興味深い。常に炊き立て小ロット。程よく歯ざわりは残りつつ、おじやっぽくもある。魅力的なライスです。マッシュポテトはそのまま食べてよし、カレーをマイルドにする役割を担わせても良し。
骨付きの鶏肉は迫力があるものの食べにくい面もあり、これは普通のチキンカレーでも良かったかもしれません。ちなみに一番人気は「ポークカレー」だそうで、そちらは1人前に玉ねぎ1.5個も使用しているそうです。あと隣のねえちゃんがチーズをトッピングしてて、バーナーで丁寧に炙ってトロトロに仕上げる仕様でそれもまた美味しそうであった。
どのカレーも千円以上であり、トッピングやら大盛りやらで2千円に迫るランチではありますが、その支払金額に見合った美味しさです。スパイスが立っているインド系のカレーや、コクと旨味の強い欧風カレーはよくありますが、その両方の美点を併せ持った当店のようなカレーはありそうで無い。オススメです。今度はポークアレーにチーズをトッピングしてみようっと。
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カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。
- 酒肆ガランス/白金高輪 ←本格派。カレー屋は当店に修行しに来るように。
- ラ・ファソン古賀/代々木上原 ←予約必須。欧風カレーの最高峰。
- コチンニヴァース/西新宿五丁目 ←「なぜここに?」と住宅街に突如現れる本格派。
- SPICY CURRY 魯珈(ろか)/大久保 ←朝の7時から並ぶ必要のあるカレー。
- ケンゾーエステイトワイナリー /六本木 ←野菜が溶け込み甘さを感じる一方で、きちんとスパイスが立っている本格派。
- 香妃園/六本木 ←六本木で遊ぶのに知らないのはモグり。
- ホットスプーン(Hot Spoon)/五反田 ←カレーというより牛肉料理。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania)/目黒 ←これ以上の住宅街は無いというほどの住宅街にある名店。
- 東洋軒/赤坂見附 ←和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆るブラックカレー。
- カレー&オリエンタルバル 桃の実/水道橋 ←マトンカレーが実に奥行きのある味わい。
- デリー(DELHI)/上野 ←総本山。セットメニューが異常にお得。
- ボンディ(Bondy)/神保町 ←アタックとしては甘味。続いて穏やかな辛味が到来するという仕様。
- スープカレー屋 鴻(オードリー)/神保町 ←豚骨の旨味がクセになるカレー。
- エチオピア/神保町 ←ルーが絶品。豆サラダと野菜が上々。
- ディラン/新お茶の水 ←意外にも家庭的でゆるふわな味わい。
- スパイスボックス(Spice Box)/神田 ←日本人の口に合う本格派。ボリュームが心底満点。
- 印度料理シタール/検見川 ←千葉の僻地で大行列の超有名カレー屋。
カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!