ラ・グランターブル ドゥ キタムラ(La Grande Table de KITAMURA)/高岳(名古屋)

名古屋屈指の高級住宅街「白壁地区」にあるフランス料理店「ラ・グランターブル ドゥ キタムラ(La Grande Table de KITAMURA)」。古民家をリノベーションした迫力のある外観です。
エクステリアに負けず劣らず内装も立派。天井が高く採光も良く、結婚式披露宴なんかやっても最高かもしれません。50~60席はあるグランメゾンです。

北村竜二シェフは名古屋フランス料理界の淳珍のひとり。フランスの「シャルル・パリエ」「ジャマン」「タイユヴァン」ならびでスイスの「ジラルテ」で腕を磨きました。帰国後は「ミクニナゴヤ」の厨房を預かったのち、当店をオープン。
アミューズは玉ねぎのキッシュ。仄かに温かくフルフルと温かく手の込んだお口取りです。正統的な味わいであり、この時点で今後の展開へと安心が持てました。
小さいイカに百合根のムースを詰めました。ご覧の通りの美味しさであり、また、ここまでで手の込んだ料理がアミューズの位置づけの意識の高さに脱帽。
スープはジャガイモとサツマイモのポタージュ。液体そのもので充分に美味しいのに、蟹の身がハラハラと組み込まれているのが心憎い。
パンはかなりの数を取り揃えられているのですが、いずれも安定的に美味しい。大箱の強みです。
リゾットをアスパラで筒状に包み、上にはマダイ、更にはキス。この一皿に多くの食材が詰まっており、それぞれの火入れの管理がパーフェクトなのが素晴らしい。ソースも王道の味わい。
メインはフランス産仔鴨のローストを選択。やはり定石といった調理であり安定の美味しさ。ここに至るまでそれなりの量があったのに、メインもしっかり食わせるあたり、相当の手練れです。
デザートは苺のショートケーキに柿のタルト。柿のタルトが美味しいですねえ。フルーツの深みのある味わいをしっかりと引き出し、リッチな生地で包み込む。一口サイズではありますが迫力のある味覚でした。
小菓子とハーブティーで〆てごちそうさまでした。

このあと予定があったので飲み物は炭酸水だけに留めたのですが、支払金額はひとりあたり5千円強。食事だけだと税サ込で4,500円という計算。家賃や人件費を考えれば完全に赤字ではないかと心配になるほどの費用対効果です。大丈夫かなあ、コロナでヤケクソになってるんじゃないのかなあ。

次回は夜に、最高値コースにしっかりとしたワインで愉しもうと心に誓ったランチでした。

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