高級な日本料理だけが京都グルメではありません。地元の呑兵衛であれば誰もが知る鉄板焼き(?)料理「かな」。祇園の中心地から歩いて10分弱。元々は昼にオープンして明け方まで通し営業だったのですが、コロナ的に今はどうなのか良く知らない。
横に長いというか薄い店内。鉄板を並べたカウンター席のみであり、誰かが座れば後ろを通るのは一苦労なほど。店内の至る所に年季を感じる油染みがあり昭和が止まりません。テレビではサザエさんが流れている。
なお、割とのんびり飲み食いするゲストが多いので回転は良くありません。直前であっても予約の電話を入れておいたほうが良いでしょう。
生ビールは500円。キンキンに冷えたグラスで提供されあげぽよです。ただしお店は満席でテイクアウト分も受け付けているため、焼き手のおばちゃんたちはてんてこ舞いの忙しさ。いちいち手を煩わせるのも何なので、その後は瓶ビールで進めました。まずは「とん平焼」。ステーキ肉もかくやと思わせる豚肉をギュウギュウに焼き。玉子焼きの薄焼きを土台にたっぷりのキャベツを乗せ構築します。自然と蒸されたキャベツが甘く、雑なソースの味わいがしっくりきます。
「鉄板ミックス」は野菜炒めの豪華版。あっさりめの調味もあってか、温かいサラダのようにスイスイと食べ進めることができます。海老がデカいのが嬉しい。
スペシャリテの「ねぎ焼き」。具材は正統的に牛すじを指定し、味付けはもちろん醤油。クレープのように薄い生地に山ほどの九条ネギを乗せ、事前に仕込んであった牛すじを気前よく並べます。追加で卵を乗せてもらうことをお忘れなく。
続いて「べた焼き」。広島風お好み焼きの麺抜きのような料理であり、京都の隠れた郷土料理であり。「ねぎ焼き」同様に薄いクレープ状の薄い生地をひいて、たっぷりのキャベツを盛り付け蒸し上げます。ここでは具材に「ミックス」を指定し、肉やら魚介やら、はてはチクワまでが加わり賑やかな味わい。辛口のソースをたっぷりとかけ、童心に返ります。
以上をふたりで食べ、軽く飲んでひとりあたり2,500円ほどで最高か。前述の通り場面でかなり忙しく料理の出来上がりを待つこともありますが、目の前で進捗状況を確認できるためストレスは無く、何ならおばちゃんたちとグダグダおしゃべりしながら酒を飲めるので待ち時間は全く気になりません。いま食べに行けるスナック。オススメです。
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