旬菜処 びいどろ/美栄橋(那覇)

久茂地小学校と緑ヶ丘公園の間にある何でもないアパート(?)の2階にある「旬菜処 びいどろ」。那覇でも屈指の人気を誇る居酒屋です。県産の旬の食材を多用することでも有名。
カウンター数席にテーブルが1卓、掘りごたつが2卓のみ。数組入ればもう満席の小さなお店。8名揃えば貸し切りもOKとのこと。外観こそ入りづらく感じるかもしれませんが、一見のおひとりさまであってもすんなり溶け込める自然体な酒場です。
オリオン生で乾杯。ジョッキほどのサイズ感はありませんが、綺麗に磨き込まれたグラスならびにサーバーであり、瞬で飲み切る美味しさです。お通しはジーマーミ豆腐。ちょっとびっくりするような粘度であり、一品料理としても通用するポーションです。「まーちぬ家」にせよ、沖縄の居酒屋はお通しが凝っている。
お造りはミーバイにメバチマグロ。前者は沖縄が誇る高級魚であり、数日間熟成させているのか旨味が増し実に美味しい。ミーバイはヘンに火を通すより生が一番好き。マグロは非冷凍。一年を通してマグロの水揚げがある沖縄ならではの刺身です。
旬の野菜のせいろ蒸し。沖縄に滞在すると、どうしても野菜不足に陥りがちなのですが(私だけ?)、ここなら新鮮にたっぷりと頂くことができます。カニミソを練り込んだバーニャカウダソースがお気に入り。
あぐー豚のトントロ塩焼き。内地の人間からするとあぐー豚と聞くだけでテンアゲなのに、そのネックの部分を食べることができるとは。東京の焼肉屋で食べるそれよりも弾力があり噛み応えがある、力強い味わいです。
石垣牛ステーキ。赤身の部分であり旨味たっぷり。噛みしめるたびに肉の逞しい味覚が口の中に溢れます。思わず赤ワインが飲みたくなりました。
近海物のマグロのカツ。刺身でグイグイいけるクオリティのマグロを豪快にカットし、ザザっとカツにして揚げぽよです。何てビールが進むのだろう。タルタルソースにはチキナー(カラシ菜)が練り込まれており後を引く美味しさ。
セーイカのコク旨自家製ラー油たれユッケ。セーイカとはソデイカのことで、体長は1メートル、体重は20キログラムにも達する世界最大級のイカ。沖縄はセーイカの漁獲量が日本一なのです。そのネットリと甘いセーイカを自家製のラー油でたっぷり和えてユッケ風に。泡盛がピッタリの濃い口です。
〆はシャコガイと海苔の沖縄そばペペロンチーノ。シャコガイとは琉球列島以南で獲れる世界最大級(またかよ)の二枚貝。もちろん一口サイズにカットされているので、コリコリとこれだけで酒のツマミになりうる美味しさ。たっぷりの海苔と共に乙な味に麺食らいます。
お会計はひとりあたり4~5千円といったところ。かなり自由に満腹になるまで食べてこの支払金額はお値段以上。味も勿論すばらしく、お店のサイズ感と相俟って予約が取れないことにも納得です。バリバリの郷土料理というよりは、県産の素材をたっぷり使った創作居酒屋。ひとりでもカップルでもグループでも、使い勝手の良いお店です。オススメ!

食べログ グルメブログランキング


関連記事
1年で10回沖縄を訪れることもあります。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
TACが世に出した一風変わった沖縄本。もはやガイドブックではなく参考書の域です。非常に情報量が多く、かつ、うまく整理されており読みやすい。大判ではないので持ち歩きやすいのも素晴らしいです。オールカラーの割に高くない。数多ある沖縄ガイドブックの中では突出した存在です。