創業100年を超える老舗。広島を代表する割烹でありミシュラン1ツ星。食べログではブロンズメダルを獲得しています。
店内はカウンター席のみで10席強。我々を除いては常連客が殆どであり、地元に愛されているお店です。三代目の田中泰弘シェフの客あしらいが有名なのですがランチタイムは不在にしており、代わりにおばちゃんたちがテキパキと料理をこなします。
ランチは「うな重」や「あなごめし」などのセットメニューが主力なのですが、アラカルトでおでんも注文することができます。皆、セットメニューを注文の上、おでんをつまみながら出来上がりを待つというスタイル。おでんそのものは美味しいのですが価格の記載が無く、最終支払金額から逆算するに1品300~500円ぐらいと結構高い。
セットメニューにはお野菜の炊き合わせが付随します。こちらは作り置きのものを盛り付けるだけなのですが、素材が良くかなりしっかりと調味するスタイルであり、酒が飲みたくなる美味しさです。正直メインディッシュよりもこちらのほうが印象に残りました。私は「小鰯のさしみとご飯」を注文。なるほど確かに美味しいのですが、コレにゴハンと味噌汁、先の前菜がついて税別3,500円というのは割高に感じました。
ライスには海苔がふりかけられるのですが雑然としたプレゼンテーションであり芸術点が足りない。ごはんの味わいそのものも一般的な定食屋のそれと大差ありません。お新香は美味しいですね。恐らくは自家製であり、広島の老舗割烹の面目躍如たる味わいです。
赤出汁の具材はアサリ。出汁が弱く赤味噌のパンチばかりが響き、全体としてイマイチ。
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赤出汁の具材はアサリ。出汁が弱く赤味噌のパンチばかりが響き、全体としてイマイチ。
連れは「あなごめし」を注文。税別で4,200円です。一口頂きましたが、なるほど旨いが高いという、おでんや「小鰯のさしみ」と同じ感想であり、つまりはそういうお店なのでしょう。
なんやかんやで支払金額はひとりあたり5千円を超えました。ミシュラン1ツ星割烹におけるランチという意味では絶対値としての支払金額は小さいですが、さて食事そのものの費用対効果を考えるとどうでしょうという印象でした。
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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- かどわき/麻布十番 ←人生で一番の和食かも。
- と村/虎ノ門 ←季節を切り取る、究極の旬を楽しむエンターテインメント。
- しのはら/銀座 ←予約困難となって当然だ。
- 温味/すすきの ←旨い!多い!安い!完全無欠の三ツ星和食店。
- 龍吟/六本木 ←モダンスパニッシュとさえ感じる前衛的な和食。外人にオススメ。
- いち太/外苑前 ←フランス料理のように多層的な味わい。
- 田がわ/御幸町(京都) ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園(京都) ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- カモシヤ クスモト/福島(大阪) ←独学でもトップに立ててしまうのか。
- 島之内 一陽/難波 ←カジュアル和食の最高峰。
- 和やまむら/奈良駅 ←ミシュラン3ツ星。料理が抜群に旨いガールズバー。
- 季節料理なかしま/白島(広島) ←同じくミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 日本料理 幸庵 ←こちらも費用対効果が素晴らしい。ミシュラン三ツ星って実はお買い得?