日本最古のインド料理屋「ナイルレストラン」。創業は1949年であり、銀座の飲食店の中でも老舗中の老舗。食べログでは3.76(2020年12月)で百名店に選出されています。
平日の夜に予約ナシで訪れました。客の入りは半分程度であり、回転は良くゲストの出入りが激しい。初代オーナーはムッシュA.M.ナイルで日印友好の功績を湛らえており、二代目オーナーのムッシュG.M.ナイルはその明るい人柄でメディアでも大人気。現在は三代目のムッシュナイル善己がお店を統べ、かなりのイケメンぶりを発揮しています。
注文はもちろん一番人気の「ムルギーランチ」。ムルギーとは鶏肉、ランチとは昼食の意味ですが、夜であっても注文することが可能。1,500円です。店内を見渡す限り誰もがこの料理に向き合っており、ゲストの99.09%がコチラを注文するそうです。着丼後、店員がそのまま手早く鶏のモモ肉を解体新書してくれます。
解体が終わりました。具材は地鶏のモモ肉に岩手県産のサフラン(?)ライス、キャベツ、マッシュポテトと独特の構成です。これらをグッチャギッチャによく混ぜてから食べるのが当店のルール。ルーはめちゃんこ辛いというわけではありませんが、しっかりとスパイスが立っており、終盤にはじんわりと汗がにじみ出てきます。
味については値段に見合ったものであり、びっくりするほど美味しいというわけではありません。が、僅か1,500円という支払金額で銀座ひいては日印有効の歴史を味わえると捉えれば安いもの。カレーを語る上での古典、必修科目という位置づけで訪れましょう。
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カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。
- 酒肆ガランス/白金高輪 ←本格派。カレー屋は当店に修行しに来るように。
- ラ・ファソン古賀/代々木上原 ←予約必須。欧風カレーの最高峰。
- コチンニヴァース/西新宿五丁目 ←「なぜここに?」と住宅街に突如現れる本格派。
- SPICY CURRY 魯珈(ろか)/大久保 ←朝の7時から並ぶ必要のあるカレー。
- ケンゾーエステイトワイナリー /六本木 ←野菜が溶け込み甘さを感じる一方で、きちんとスパイスが立っている本格派。
- 香妃園/六本木 ←六本木で遊ぶのに知らないのはモグり。
- ホットスプーン(Hot Spoon)/五反田 ←カレーというより牛肉料理。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania)/目黒 ←これ以上の住宅街は無いというほどの住宅街にある名店。
- 東洋軒/赤坂見附 ←和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆るブラックカレー。
- カレー&オリエンタルバル 桃の実/水道橋 ←マトンカレーが実に奥行きのある味わい。
- デリー(DELHI)/上野 ←総本山。セットメニューが異常にお得。
- ボンディ(Bondy)/神保町 ←アタックとしては甘味。続いて穏やかな辛味が到来するという仕様。
- スープカレー屋 鴻(オードリー)/神保町 ←豚骨の旨味がクセになるカレー。
- エチオピア/神保町 ←ルーが絶品。豆サラダと野菜が上々。
- ディラン/新お茶の水 ←意外にも家庭的でゆるふわな味わい。
- スパイスボックス(Spice Box)/神田 ←日本人の口に合う本格派。ボリュームが心底満点。
- 印度料理シタール/検見川 ←千葉の僻地で大行列の超有名カレー屋。
カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!