店内はカウンター主体であり、その他テーブルがいくつか。友人の家に遊びに来たかのようなリラックスした雰囲気で居心地が良い。
小泉洋シェフはフランス料理店を皮切りに、日本料理や角打ち酒屋、中華料理屋など数々の業態で腕を磨き、2018年に当店をオープン。
ワインは自然派中心でワインリストは無く、お店と相談しながら決めていきます。なのですが、サービス担当のワインの取り扱いが滅茶苦茶で、試飲の量が無駄に多く、形ばかりのテイスティングを終えた後はあろうことかその殆どを下水管に流し捨て、ワインラヴァーとしては相当頭にきた瞬間でした。
アミューズはフランス産の空豆。なるほど小ぶりながらきちんとした空豆であり春の気配を感じます。量もたっぷり。
続いてヒラメのカルパッチョ(?)。濃密な調味であり(肝のソース?)、思わず日本酒を注文したくなるような奥行きを感じました。
続いて酒粕を用いたスープ。これはもう、すりながしと言って良いほどの和のニュアンスが感じられ、シェフの料理人としてのセンスを感じました。
続いて酒粕を用いたスープ。これはもう、すりながしと言って良いほどの和のニュアンスが感じられ、シェフの料理人としてのセンスを感じました。
じっとりと蜜を湛えたサツマイモに濃密な風味のサクラエビとシェーブルチーズ。いずれの食材も密度を誇る味わいであり、恵比寿における三密である。
カマス。表面をバリっと炙って香ばしさを演出した後に日本酒(?)のソースで軽やかに仕上げます。いいですねこのジャンルレスな軽い感覚。力むような拘りは無く、旨けりゃいいじゃんという開き直った美味しさがあります。ナス(だっけ?)にシカのたたき。クセのない爽やかな赤身肉であり、この軽さであれば何皿でもイケそうな気がします。
しっとりと炊いたカブにジュワジュワに焼いた白子。日仏合作の旨さであり、ワインも良いですがやはり日本酒が欲しくなる味覚です。そういえばかなりの皿数をシェフおひとりでテンポ良く出す手際の良さには舌を巻く。
お魚はアコウダイ。主題の美味しさはもちろんのこと、付け合わせの黒い物体(リゾット?)の食感ならびに風味に深みがあり、魚料理として個人的にかなりツボな味わいでした。メインは山鳩。王道の調理ならびにソースであり赤ワインが進む。ポーションもしっかりあって、1万円のコース料理としては気前の良いメインディッシュでした。
デザートが絶品。チーズケーキにトリュフ風味のチーズを重ね合わせ、濃厚なピスタチオのアイスクリームを添えます。チーズの旨味と塩気、トリュフの香り、ピスタチオのコッテリ感とどれをとっても一級品であり神秘的な美味しさでした。
紅茶で〆てごちそうさまでした。
1万円のコース料理を食べてボトルをふたりで1本、グラスを1杯飲んでひとりあたり1.6万円。店の雰囲気の割にちょっと高めに感じますが、料理の質ならびに量を考えれば寧ろでしょう。アラカルトで注文できたら楽しいだろうな。気の置けない仲間とちょっと豪華に美味しいものを食べに行く際にどうぞ。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- ALTRO!(アルトロ) ←十番カラペティ・バトゥバ!の姉妹店。居心地最高。
- マッシュルーム(MUSHROOM) ←3皿取ってデザートやお茶までついて3,500円ってむっちゃ安くない?
- アリゴトゥール(Aligoteur Que du bonheur) ←美味しいを突き詰める旨いもの屋。
- 筑紫樓(つくしろう) ←ランチタイムは社会貢献活動かもしれませんが、それにしてもお得である。
- 鍈輝(えいき) ←コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。
- クンビラ(KHUMBILA) ←スパイスのオーケストラともいうべき複雑な味わいが五感に押し寄せる。
- ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア(BRACERIA DELIZIOSO ITALIA) ←ランチの信じがたい費用対効果。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- スブリデオ レストラーレ ←チーズ好きのカーバ神殿。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- チャイニーズダイニング方哉(まさや) ←ランチの千円担々麺が絶品。
- 蕎麦懐石 義(ぎ) ←飲み物付きランチコース4千円がほんとうにすばらしい。
- えびすの安兵衛 ←超行列店。高知名物「屋台餃子」を恵比寿の地で!