入室し眉をひそめる。なんだこの微妙な間取りは。ゴロンして寛ぎたいのですが、そのまま布団に寝転ぶのは嫌だし、かといってベンチのような椅子では落ち着けない。畳に寝転ぶのにも抵抗がある。家具や小物、家電にも統一感が無く、新しもの好きな親戚の家に来たような感覚です。
寝室とリビングを隔てる意図として段差を設けているのでしょうが、これが普通に危なっかしく、足腰が弱い方にとってはかなり厳しい仕様でしょう。部屋の中に段差があって許されるのは「MAGACHABARU(マガチャバル)」のような盛大な空間だけだ。
温泉もイケてない。各部屋に露天風呂が設けられているとのことですが、これは外に風呂がある、もしくは風呂に壁が無いだけです。温泉についてもボイラーで沸かして蛇口をひねって湯をためるタイプであり、泉質がどうのこうのと論じる以前に風情が無い。しかも湯に勢いがなく、蛇口を全開にしても満タンまで一時間半も要しました。その待ち時間は先ほどの落ち着かない部屋の硬いベンチに姿勢良く座っている必要があり、こんなことなら先にお湯を張っておいてくれよ何て気の利かない温泉宿なんだ。
お手洗いと洗面所はめちゃんこ寒い。暖房が無いのかあまりに寒すぎるので、常に扉を開けっぱなしにしてリビングの暖気を取り入れておく必要があり、いつも部屋から便器が見えるので落ち着きません。
夕食は部屋ではなくレストラン棟へ。詳細は別記事にて。
朝食も極寒。夕食は遅い時間のスタートを選んでおり、先客のおかげでダイニングは温まっていたのですが、朝食は一番乗りであったため息が白い状態でした。冗談抜きでダウンジャケットを着たままの食事。新手の冬キャンである。
寒くて気がきかない宿でした。冬でなければ少しは印象が違うかもしれません。また、全体的に段差が多く危なっかしいアプローチが多いので、親世代には勧め辛い。足腰がしっかりしているうちにどうぞ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。