「そりゃあ、欧米級に全死因のトップがコロナ、みたいになったらあたしも立ち振る舞いは改めるけど、今の日本で欧米と同じ戦略を取るのは違うんじゃないの?運動会のかけっこにビデオ判定を求めているようなものよ、今の日本は」
うーん、各国の戦略とか難しいことはよくわかんないけど、僕自身に限って言えば、コロナの前後でライフスタイルは変わってないなあ。僕はもともとアライグマのように清潔で、書を愛し芸術を愛し日中のほとんどを家で過ごし、ひっそりと生きてきたからなあ。だけど、外には毎日食べに出ている。飲食店でコロちゃんに接する機会はそれなりにあるかもしれない。それでもいいの?
「いいも悪いもないでしょう、私がいいって言ってんだから。コロナに罹らないことが私の人生の目標じゃないの。だいたいあんたの外食って、下関条約みたいなレストランで下関条約みたいな連中としか会わないでしょ?どこに感染リスクがあるっていうのよ」
感染リスクと言えば、GoToトラベルがすっかり悪者にされてしまいましたが、私は2020年の1年間で43回も飛行機に乗っているにも関わらず抗体検査を実施した限りにおいては感染した形跡はありません。「どうせ離陸直前に乗り込んで1Aに座って、着陸したら真っ先に降りてるんでしょ?はいはいリスクは小さい小さい。何これ自慢?今夜はごちそうになっていいかしら」
「緊急事態宣言なんて生っちょろいのよ。やるならやるでキッカリ2週間、せーので例外認めず全国民が家にいるよう強制すればいいのに。家を出たやつは問答無用で独房行き。そうすりゃコロナどころか全部のビョーキが無くなっちゃうんじゃないの?そこまで本気でやる覚悟があるなら私も喜んで協力するけどね。チーズ蒸しパン買い込んでベッドでずっとネットフリックス見てるわ」
まあまあ、『例外認めず』だなんて極端で、ライフラインまで止まっちゃうよ。電気が止まっても我慢はできるけど、トイレを流せないのはさすがにツラいよ。だいたい、そんなんじゃネットにも繋げなくなるよ。「そこなのよ」彼女は目を吊り上げて言う。
「ちょっとでも風変りな意見を言うと、みんなそうやって揚げ足を取って全力で潰しにかかるでしょ?清潔で美しく健やかな毎日をめざすのは正しい。それはわかった。でも、その正しさを錦の御旗に自分の価値観にそぐわない意見を全部潰していくのは違うんじゃないの?『真理に到達するもっともよい方法は、異なる意見を持つ者の話を聞くことだ』ってミルも言ってるでしょ?」ミルとはJ.S.ミルのことだろうか。彼がそう言ったかどうかは定かではないけれど。
友人からのアドバイスからオリンピック延期した時のロゴの完全版できた。
— 小崎 (@OsamuKosaki) March 24, 2020
どこからどう見てみても日本らしさ全開である。 pic.twitter.com/nkOXIAHa84
「羹に懲りて膾を吹くのは勝手だけど、他人に押し付けるのはやめてよね。このまえ大学生の従兄弟に会ったんだけど、大らかなもんよ。『学校なくてつまんねえから、わざと留年しよっかなあ。こんなことなら浪人して東大目指せば良かった。風邪でオリンピックが延期になるんだから、俺が1年無駄にすることなんて大した問題じゃねえよなあ』って。世のコロナ脳はこの大らかさを見習って欲しいわ」
「なんだか最近は『無症状の若者が自由に出歩いて高齢者にうつしちゃって~』みたいな論調が多いけど、あれ、ホントなの?そもそもあたしたちが年寄りに関わる機会なんて無くない?」確かに言われてみるとそうかもしれません。例えば私の場合、ここ数カ月間はいわゆる高齢者と接する機会はゼロでした。
「何でもかんでもあたしたちのせいにしてくれちゃってさ。要するに、羨ましいのよ。若くて健康で楽しそうにやってるあたしたちが。ヤフコメ民も『ワシらはこんなに自粛してるのにけしからん!』ってキレてるけど、もともとああいう連中には遊びに行く予定も友達も無かったわけでしょ?そもそも『終わった人』なのに、なに言ってんだか」
まあまあ、若者も年寄りも、どっちも自分たちが正しいって思ってるよ。揉め事なんてそんなもんだよ。ただ、世代間の問題にしてしまうから互いに不愉快になるだけであって、年齢なんか関係なしに『死ぬ覚悟のある方だけ外出してください。何かあっても泣き言は一切言わないように』ぐらいのユルさで充分なのかもしれないね。
いずれにせよ、僕はコロナをただの風邪だとは思ってないし、仮にただの風邪だったとしても、その風邪すらひきたくないと思っている。だから僕は清潔でいるよう努めるし、もともとそういう生活を送っていたとも言える。
「それじゃ、次はホテルで食事するのはどう?」いいねえ、ああいうとこなら感染症対策はバッチリだし、そもそも人もそんなに居ないことでしょう。「ルームサービスでね」
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。