酒の宿 玉城屋(宿泊)/松之山温泉(新潟)

ミシュラン新潟2020で1ツ星を獲得した料理旅館「酒の宿 玉城屋」。東京からのアクセスはかなり厳しく、松之山温泉という車でしか行けないような秘境に位置します。
公式ウェブサイトを見た限りかなりモダンな温泉旅館と期待したのですが、チェックインしてみれば簡素で雑然としたインテリアであり拍子抜け。片付けられない主婦の自宅のような雰囲気です。
和室にベッドルーム、客室内温泉が備え付けられた部屋を予約しました。和室はまあ、一般的な温泉旅館のそれです。窓の小さなテラスから小川が望むことができるのが気持ち良い。
キングサイズのベッド。シモンズのマットレスを採用しているらしく寝心地は抜群。ただし頭側の壁一枚を隔ててエレベータならびに廊下であり、夜半や明け方に大浴場に向かうゲストの話し声や足音、自動販売機からバコーンと飲み物が落ちる音、グラスを片付けるガチャガチャ音がうるさくって仕方がなかった。居酒屋の廊下で寝ているような感覚。シャウト系女子とのファックは難しいでしょう。
洗面所はシンプルを通り越して殺風景。アメニティもビジネスホテルが如く最低限に抑えられており、ギャルとかはアガらないと思います。ティッシュやコップすらない。
バスルームは良いですね。客室内の温泉としてはかなりの広さであり、窓から望む景色も美しい。大浴場にも行ってみたのですが、客室内の温泉で充分に感じました。
お手洗いは妙に広い。いわゆるバリアフリー対応であり車椅子での利用も可とのこと。
夕食は六本木のミシュラン2ツ星フレンチで腕を磨いたシェフが奏でるフランス料理のフルコース。詳細は別記事にて
朝食は旅館の朝食をいんすたばえするようプレゼンテーションを再構築。ただし味そのものは一般的な旅館の朝食そのままです。
ミシュラン1ツ星を獲得しただけあって夕食の料理はかなり良かったですが、「酒の宿」と自称する割にペアリングはイマイチだし、客室の方向性も中途半端で値段に全く見合っていません。コンセプトがブレブレでありどの論点も上辺だけそれっぽく取り繕っているように感じ、絶対に譲れない哲学というものが感じられませんでした。1泊1万円かそこらの宿にはこんな苦言を呈しませんが、なんせ当館は1泊して1人あたりの支払金額は5万円なのである。

今のところは都心のきちんとしたフランス料理店で食事をし、その後スーパー銭湯でゆっくりしたほうが余程快適。東京からかなりの時間をかけて訪れる必然性を感じませんでした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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