古都の歴史文化が色濃く残された桜井の地にある「オーベルジュ ド ぷれざんす 桜井」。同じ敷地内に「なら食と農の魅力創造国際大学校」という奈良県の学校があって、そこの教師と実地の場(?)を兼ねてオーベルジュの運営を「株式会社ひらまつ」に任せてある面白いコンセプトのオーベルジュです。「ぷれざんす」はどういう意味なんだろう。ボルドーの右上にある街のことかなあ、だとしたら何で平仮名なのかなあ。
ロビーはかなり簡素。9室のみのスモールラグジュアリーと言いたいところですが、あまりラグジュアリー感はなく、大企業の保養所のような雰囲気です。もちろんひらまつが経営する宜野座、京都、熱海、仙石原、賢島といったホテルとは価格設定が全然違うので、同じ土俵で語ってはなりません。ところで桜井駅からタクシーで来たのですが、運ちゃんから「お客さん、もしかしてGoTo?」と話しかけられ「いやあ、GoToには本当に助かってる。アレが始まってから、一気にお客さん、増えましたもんね!クーポン使って気前よく貸し切りしてくれるし!」とテンション爆上げでした。GoToプロジェクトはスタートこそグダグダでしたが、始まってみれば上手い具合に成果が出ているのかもしれません。やっぱ旅行に行ったら必要以上に金使うもんなあ。
本題に戻りましょう。お部屋は一般的なシティホテルのそれであり、特別何かという印象はありません。我々はツインでの滞在であり、ツインは7室、スイートは2室、全ての部屋にテラスがついているそうです。
窓からの景色は素敵。まさに田園風景という表現がピッタリであり、南砺の「里山のオーベルジュ 薪の音」を思い出しました。バスルームはシャワーはおろかトイレまで独立されておらず使い勝手が悪い。せっかく土地がいっぱいある田舎に建てたんだから、このあたりもっと贅沢に作れば良かったのに。
アメニティは「Gilchrist & Soames」で統一されているのですが、この会社知らんかった。
ところでお隣の「なら食と農の魅力創造国際大学校」では学園祭(?)が開催されており、カレーちゃチュロスなどちょとした出店が出ています。こちらの運営は奈良県ですが、前述の通りひらまつのシェフたちが指導も行っており、名誉校長はムッシュ平松博利。名称こそは何とも粋のないネーミングですが(国際と名の付く大学は基本的にヤバい)、フェルナン・ポワンの「若者よ、故郷へ帰れ。その町の市場に行き、その町の人のために料理を作れ。」を体現するコンセプトには大賛成。
さてお待ちかねの夕食。冒頭のクーポン券は全てここで飲み切りました(というか1万円ぐらい足が出た)。詳細は別記事にて。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。