ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座(THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS、宿泊)/沖縄

1年ぶりに訪れる「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座」。2019年の私的ベストホテル第2位を獲得した大好きな料理旅館であり、色々訪れたひらまつが運営するホテルの中でもダントツで好き。

何度訪れても圧巻のアプローチ。玄関だけのために設けられた抜群の眺望を誇るエントランスであり、建物としての機能は殆どありませんが、さあここから素敵な滞在が始まりますよというイメージ戦略に寄与します。
チェックイン&アウト時はカートで荷物と共に運んでくれるのですが、この運用はどうでしょう。もちろん多少の非日常感の演出には間違いないのですが、カートの台数ならびにドライバーの数が限られており、送り迎えのために待ち順列が生じるという本末転倒な結果となっています。別に大した距離じゃないから自分の脚で移動するのだけれど。
レセプション棟に移動しチェックイン手続き。やはりチェックイン時刻の15時前後にゲストが集中して訪れるため、手続きが全然まわってません。ぼうっと待つのもアレなので、私は落ち着いた頃に戻って来るとだけ告げ、散歩に出ることにしました。
抜群の眺望を誇るプールはインフィニティ感に溢れています。ただし温水ではなく快適に泳げるのは10月までといったところでしょうか。私は普段からスポーツクラブのプールでたっぷり泳いでいるので目の保養で充分。
こちらはプライベートビーチ朝はヨガの無料プログラムが用意されています。
レセプション棟の1Fにはカフェが併設されており軽食や飲み物が振舞われます。しかし夕食も朝食も莫大な食事量であり部屋に置かれた飲み物も自由に摂って良いという仕組みなので、カフェの利用者は少なく見えました。
また、16時からは「宜野座タイム」と称してレセプション棟にて泡盛とツマミが振舞われます。「こちらは減圧蒸留なので軽快で飲みやすいですよ」との紹介がありましたが、その説明だけを聞いてピンと来る人は日本で5万人もいないかもしれません。
お部屋ならびにチェックイン手続きの準備ができたので、部屋へと向かいます。前回は離れの独立したヴィラタイプに滞在しましたが、今回はレセプション棟近くの連棟タイプの1階です。
部屋に入ります。さすがにヴィラタイプほどの広さはありませんが、動線が上手く設計されており、また、ウッドデッキやジャクージ、その先の芝生へと空間がシームレスに繋がっており、スペック以上の解放感を感じました。
こちらは逆サイドからの写真です。
ベッドは好みの問題ですが、フニャフニャとした硬さであり、私はあまり好きではありません。私はある程度硬いのがタイプです。
ライティングデスクも用意されており、wifi環境も快適。ワーケーション憧れる。
ネスプレッソや冷蔵庫内の飲み物は全て無料(というか込み料金)。アルコールはルームサービスでオーダーする必要があり、このあたり酒もたっぷりと客室内に抱えた「ウザテラス」などとは思想が異なります。
屋外のジャクージのほか、バスルームにはきちんとしたバスタブならびに独立したシャワールームも用意されています。化粧台も2つ用意されており、ギャルが2人で泊まっても喧嘩になることはないでしょう。
アメニティはブルガリで統一。ひらまつはホテルによって置かれているアメニティが異なるのですが、私はこのブルガリの石鹸がヌルヌルすべすべしていてとても好き。日焼け止めジェルも用意されているあたり土地柄と言えるでしょう。
ウッドデッキにはゴロゴロ用の外ベッドにテーブルが置かれ、リビングルームの延長のように使用できます。ジャクージは仮設のペラペラなものではなくしっかりとビルトインされた本格派。芝生やインフィニティプール、青い海に青い空と抜群の眺望です。
夕食は最高に美味しかった。全体に物語的な構成があり、ひとつひとつが実に記憶に残る。個性豊かで独創的。沖縄の食材にひらまつの技術力が加わり、ちょっと他では真似できないフランス料理です。詳細は別記事にて
朝食も夕食と同じレストラン棟にて。地元の果物を用いたミックスジュースで目を覚まします。パッションフルーツの酸味が寝起きに心地よい。
やはり地元の野菜を用いたサラダにポタージュ。調味などせずとも野菜そのものの味が実に濃い。やんばる地鶏のハム(?)もクリアな味わいです。
メインは「ウフ・アン・ムーレット(œufs en meurette)」。ブルゴーニュの郷土料理であり、ポーチドエッグの赤ワインソース的なものです。あぐーソーセージの塩気と旨味にやんばる茸の力強さが加わり、夕食のメインディッシュに持ってこれそうな迫力です。
パン類も高品質。夕食においてもそう記しましたが、当店のパンはメディアには決して出ることはありませんが、実は沖縄でパンが最も美味しいではあるまいか。
デザートは南城市に移住したイギリス人チーズ職人が造るヨーグルト。凝縮感があって噛み応えがあるヨーグルト。たっぷりのフルーツと共にごちそうさまでした。
前回同様、いや、前回を超える満足度でした。部屋の位置が良かったのかなあ。ヴィラのほうが値段は高いはずなのに、今回の連棟での滞在のほうが開放的で居心地よく感じました。食事の素晴らしさは言わずもがな。宜野座という僻地のホテルでこれだけのクオリティを維持するモチベーションの高さに脱帽です。今度は連泊してフレンチだけでなく色んなパターンな食事を楽しんでみたいと思います。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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