北京ダックで世界的に著名なレストラン「全聚徳(ゼンシュトク)」。Wikipediaによると、年間300万羽以上のアヒルを500万人に提供しており、北京の本店はある種の観光スポットと化しているそうです。日本にも支店は多く、今回はその六本木店へ。
どかーん。めっちゃくちゃ広いです。2~300席はあるんじゃないかなあ。どう考えても満席になることは無いでしょうから、ある意味フリーでも直前予約でもOKであり使い勝手の良いお店です。店員の日本語は人に拠ってはカタコトですが、てきぱきバババと仕事がべらぼうに速い。
一休からの予約だったので、サービスで生ビールがつきました。チェーン店を毛嫌いする人は多いですが、こういったサービスについて気前が良く会計も明朗なので、用は使い方次第なのでしょう。前菜三種盛り。ありきたりの雑なツマミですが、左の内臓の煮込みは暴力的な味付けで嫌いじゃありません。
水餃子。皮がモチモチで美味。特に手元で調味せずとも充分な味付けです。
春巻きはじっくりこんがりと揚がっており、ちょっと揚げ油の風味が強い。ビールがよく進みました。
スペシャリテの北京ダック。しっとりとした生地にサクサクとしたダックの皮が響きます。タレは150年の歴史がある秘伝のものらしいですがかなりクドい味覚であり、舌が疲れました。
フカヒレつゆそば。見た目こそ雑ですが、これが結構旨い。スープというよりもタレと表現したほうが良さそうな粘度ならびに味わい。また、ラーメン屋でなく中華料理屋の麺はグズグズのことが多いですが、当店のそれはしっかりとコシがあり、固麺原理主義者にとっても納得の味わい。「筑紫樓(つくしろう)」とはまた違った美味しさでした。
杏仁豆腐も杏仁の風味が強く濃密な味わい。そういえば入山杏奈(あんにん)何してるかな。元気かな。
たまたま近くに用事があったからと雑に予約したランチでしたが(失礼)、なかなかどうして美味しくリーズナブルなお店でした。その辺のホテルの中華料理レストランのレベルは軽く超えて来るのに高くない。ランチの「フカヒレ麺&北京ダックセット」は1,500円なので、まずはそこからお試しあれ。
関連記事
それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 倶楽湾(クラワン)/田町 ←あの水煮牛肉の美味しさは確か
- 味覚/虎ノ門 ←世界一辛い麻婆豆腐
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン
- 蓮香居(Lin Heung Kui)/上環 ←好きなものを好きなだけ食べているのにも関わらず、ひとりあたり1,000円と少しという驚異の費用対効果
- 唐閣(T'ang Court)/尖沙咀(香港) ←3ツ星の料理がこの価格帯で楽しめるのは実にリーズナブル
- Shang Palace(香宮)/尖沙咀(香港) ←ミシュラン星付きの飲茶でこの値段なら悪くない
- 杭州酒家(Hong Zhou Restaurant)/湾仔 ←1杯3,000円の蟹味噌あんかけ麺