招福樓(しょうふくろう)/八日市(滋賀)

偉大な料理人を輩出し続ける「招福樓(しょうふくろう)」。滋賀は八日市という、あまり馴染みのない土地ながら食べログ4.44でシルバーメダルを獲得しています(2020年10月)。お出迎えからお見送りまでお店の方が総出で挨拶して下さるので外観を撮るタイミングを逸したので、この写真は公式ウェブサイトより。
まさにジャパンな建屋であり、それぞれの部屋に配されるお庭もスタイリッシュ。日本も日本な店内ですが、若者には過ごしやすいように椅子席も用意してくれます。
早速食事に入ります。秋を意識して菊が満開。ヒシガニの身をほぐし菊の花をトッピング。旨味が強くパンチのある1皿目でした。
続いて穴子の飯蒸し。これはまあ、見ての通りの味わいですね。穴子の飯蒸しです。
マツタケにハモ、こも豆腐。こも豆腐がジュっと煮汁を吸って美味しい。
お造りはタイにクルマエビにイカ。いずれもさすがは一流料亭と思わせる素材です。
小鉢がいくつか。そうそう、当店はサービス料を20%も取るのですが、そのサービスレベルは支払金額に全く見合っていません。料理の説明が「これは〇〇らしいです」「〇〇だそうです」と他人事。そりゃあ実際に食べてないから本心ではそうかもしれませんが、客に対してその姿勢は無いでしょう。
カマス。写真は2人前。かなりドッシリとしたポーションであり食べ応えありました。
こんにゃくそば。普通の蕎麦でなくこんにゃくを用いているのは蕎麦アレルギーの方が多くそれに対する策だと熱弁されていましたが、別に俺アレルギーじゃないから普通に蕎麦でいいんだけど。
煮物も美味しいのですが、映える食材はなく味も凡庸であり特筆すべき点はありません。
お食事は菊の花の雑炊。見た目はワオという感じですが、味はまあ普通の梅雑炊です。
お漬物はすごく美味しい。たくあんが特にいいですね。これまでに食べたたくあんベスト10に入る味わいです。
雑炊が出た上に白米も出てきます。うーん、これはなら不通に白米にゴハンのアテにお味噌汁のほうが良かったな。
食後の甘味は栗きんとん。中身は黒いアンコという初めての経験です。
フィニッシュは季節の果物でフィニッシュです。
お酒抜きでひとりあたり3万円でした。うーん、高い。先にも書きましたが、サービス料20%が納得いかないですね。スタバの感じの良い女の子を2時間借り切ったとしても3千円でお釣りは来るだろうに、当店では温泉旅館の部屋食と大差無いお義母さんのようなサービスで1万円です。1万円だぜ1万円。
同じ料理をカウンター割烹で食べれば1.5万円程で落ち着くはずの食後感でした(写真は公式ウェブサイトより)。つまり料理そのものを味わうというよりも、建物やお庭などの総合的なジャパンを楽しむお店と捉えたほうが良さそうです。接待や密談、外国人観光客向け。グルメ仲間で旨いものを楽しみに行く雰囲気ではないなと感じました。

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