京都は東山、八坂の塔の脇にある雰囲気の良い一軒家。「もしイタリアに京都という州があったら」をコンセプトに、出来る限り京都産の素材を使い旬の食材を日ごとに提供する京都イタリアン。食べログは3.83(2020年10月)と人気があります。
店内は結構広く40~50席はありそう。通常のテーブル席の他、カウンター席、個室もいくつかあるようです。サービス陣は軽快で動きが良い。
笹島保弘シェフはローマで腕を磨いたのち、京都「ラヴィータ」などで料理長を務めたのちに独立。2002年に当店、2005年に丸の内支店をオープン。
前菜は真っ黒な塊。マイタケの天ぷらのような料理であり、衣に炭が練り込んであります。揚げたてアツアツで素直に美味しい。サンマを活かしたソース(?)も苦みがきいてグッド。
うっすら火を入れたボタンエビ。トマトエキスを凍らせてかき氷器で削るなどプレゼンテーションも楽しい。何よりナスのクタクタ感が和食を想起する味覚で美味しかった。
パンは複数種が温かい木箱に入れられて登場。フタを閉じておけば温度が保たれこれは良い仕組みです。アマダイ。丸くくり抜いた冬瓜におかひじき、出汁を中心としたソース(?)など、まるで和食のようです。
色とりどりのお野菜に泡泡を流し込み、カラスミをトッピング。実に酒が進むサラダである。奥は炊いた雑穀(?)に本マグロ。マグロの脂身と酸味が雑穀に溶け合って美味しかった。
パスタはキタッラ。アブルッツォ州の郷土パスタであり、噛みしめるほどに小麦の味わいがにじみ出ます。調味はシンプルで小麦の風味を活かしており、松茸の香りやカマスの旨味と上手くマッチしています。
ハードチーズの器の中でグリグリやって完成させるポルチーニ茸のリゾット。王道の味わいで当然に美味。クリの食感とクラテッロ(高級生ハム)の塩気が魅力的なアクセント。
メインは鴨を選択。京都のブランド鴨「七谷鴨」。シンプルな調理ですが、イチヂクやキノコ類など付け合わせに気合が入っており、盛り付けも京都っぽく(ボキャ貧でスマン)、記憶に残りました。
赤紫蘇のグラニテでお口の中を整えたのち、、、デザート。なのですが、これはちょっと手抜きですね。これまでのお料理に比べるとだいぶ雑な仕上がりです。チーズも選べたようなので、その日のモノにも拠りますがチーズの方が満足度は高い気がしました。
小菓子は結構美味しい。先のデザートプレートよりもよっぽど出来が良いです。専用の缶も可愛らしく、持って帰ってOKなのもいいですね。その場で食べたけど。ハーブティーで〆てごちそうさまでした。
お会計はひとりあたり2.5万円。イタリアンとしてはちょっと高いかもしれませんが、歴史的な街並みを抜けていくアプローチや建屋の雰囲気、サービスや客層の良さを考えるとトータルでは魅力的。ハコも含めてすっごい京都っぽいので(ボキャ貧でスマン)、旅行者にも良いでしょう。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ センソ(Ristorante Senso)/白金台 ←どの皿も創意工夫に溢れており、それぞれがきちんと美味しい。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia)/広尾 ←すべてが期待以上、満足感しかありません。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。