「立ち飲み」と銘打っていますが店内の殆どの席は椅子が用意されており、権之助坂の店舗に比べると立ち寄り易いでしょう。店内には本日のオススメメニューが掲げられており、そのざっかけない雰囲気は磯丸水産的な居酒屋のようです。
コロナをかなり意識しているのか、入店時の検温や消毒はもちろんのこと、カウンター席にはアクリルボード、店員はあまり近寄って来ず、オーダーは紙に書いて渡すなど、新しい生活様式を徹底しています。
熱い日だったのでまずは生ビール。ビストロなのでワインの種類が豊富ではありますが、ビールやサワーなど普通(?)の酒もたくさんあるので、ワインが飲めない方でも充分に楽しめるでしょう。お通しにしっかりとしたサラダが付いているのが嬉しい。
まずは「レバーとささみのカルパッチョ」。ホタテのようにクリアな表情を見せるササミが美味。綺麗な味わいなので白ワインがバババと進みます。他方、レバーは濃密な味わいで赤ワインが欲しくなる。大した調味はしていないのにこの旨さは素材の良さの現れでしょう。量もたっぷりだ。
「季節野菜のフリット」はニンジンにピーマンにベビーコーンにズッキーニに、、、と野菜の図鑑のようにたっぷりと盛り付けらえています。もうこの1皿だけで「てんぷら深町(ふかまち)」の野菜コースを凌駕するボリュームではなかろうか。オマケなのか野菜だけでなくイカのフリットも紛れ込んでいました。優しみ。
肉料理にはハラミとハツの盛り合わせをチョイス。本当にシンプルな調味であり肉の味で攻めて来るのですが、それでもキッチリと美味しいのがすごい。千円を切る値段でこのクオリティは世界最高峰と言えるでしょう。量もなんやかんやで200グラムぐらいあるんとちゃうかなあ。
ひとりでお邪魔しはち切れそうなほどの飲み食いしてお会計は4千円強。グワーッ、安い!グループで訪れて数皿をシェアして食べればもう少し控えめな価格に落ち着くはずであり、この価格帯でこのクオリティはフランス料理として奇蹟の費用対効果と言えるでしょう。メニューの種類も豊富なので、フランス料理店が世界でココだけになったとしても何とかやっていけるんじゃないかと思えるほどの選択肢。超超超超オススメです。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- メシモ(MECIMO)/小田原 ←重厚長大なレストランの裏をかく魅力的な設計
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- マノワール・ディノ(Manoir d'inno)/表参道 ←料理は直球勝負。ワインは高くない。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。