レストラン タニ(Restaurant TANI)/外苑前

外苑前駅から歩いて5分ほどの路地裏にあるフレンチ「レストラン タニ(Restaurant TANI)」。鮨の「海味(うみ)」とかあの辺です。
窓が大きく明るいお店です。店内の雰囲気もゲストも落ち着いており大人の空気感。客席数は20席と少しで谷夫妻とアシスタントの少数精鋭で上手く回している模様。

谷利通シェフは横浜生まれカリフォルニア育ち。ジビエの名店、広尾「アラジン」で腕を磨き、フランスやスイスで武者修行を重ね、帰国後は「アラジン」のスーシェフ、四谷「メゾン カシュカシュ」のシェフを務めたのち独立。
ワインの値付けは良心的。最も安いスパークリングワインは6千円~、お高いワインも結構あって幅広い品ぞろえ。我々はお値打ちの1本を発見したのでシャンパーニュをボトルで頂きます。
アミューズはウナギの白焼き。ほえー、こんなアミューズは初めてです。ウナギというよりもサバなどの青魚のような外観であり、食べてみると確かにウナギで不思議な感じ。ほんのりと温かくふっくらと焼きあがっており美味。
続いてメロンな液体に赤ピーマンのムースを置き、ホタテを散らし出汁のジュレで味覚を整えます。ホタテがゴロゴロ入っておりホタテ推しとしては嬉しみ。ベーコンで風味しているのかスモーキーなニュアンスも感じられました。
パンがとても美味しい。シンプルで素朴なものではありますが、天然酵母を用いた自家製であり、欧州での滞在経験がその存在を主張しています。バターだけでなくリエットがあるのも嬉しい。
鮎。これまたぷっくりと膨らんで興味深い状貌です。中にはミンチにされた内蔵や骨(?)が詰め込まれており、心地よい苦みが感じられます。付け合わせも凝っていて、ここのところ和食続きでどこも塩焼き一辺倒で食傷気味だったので、フレンチ流のややこしい調理は大歓迎。
魚料理はハモ。なのですが、この料理の主役はソースではあるまいか。スープ・ド・ポワソン(魚介のスープ)をさらに凝縮したような味わいであり、神の雫ふうに述べれば「お、おぉぉ、海が、、、見える、、、っ」な美味しさ。オマケでダイスカットされたイカがあるのもアクセントに良い。
メインはイベリコ豚。シャルキュトリなら好きなのですが、そのまま料理の素材として用いるのは苦手な私。ちょっと脂が強く感じたなあ。まあ、これは好みの問題なので仕方がありません。
デザートに入ります。まずはミョウガのグラニテにバニラのアイスクリーム。本当にミョウガの味がそのままするので面白い。他方、アイスクリームは実に濃厚であり、箱ごとバクバク食べたい美味しさです。
メインのデザートは桃のスープにハーブのアイスだったっけな?悪くはないのですが、先の皿とベクトルが被るので、個人的にはケーキとかそっち系が食べたかった。
ハーブティとお茶菓子で〆。ごちそうさまでした。

ふたりで泡を1本にグラスで赤を飲んで、お会計はひとりあたり1.5万円ほど。正統派のフレンチをしっかり食べて酒をそこそこ飲んでこの価格はリーズナブル。全体的に重めの調味であり雰囲気も玄人好みなので、ギャルとデートという感じではありません。クラシックなフランス料理に理解がある親しい友人と共にどうぞ。

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