ドルミール(DORUMIRU)/金沢

2020年8月に金沢駅西口の新商業施設「クロスゲート金沢」への移転を果たした「ドルミール(DORUMIRU)」。元々は竪町にあった、数時間待ちは当たり前の売り切れ仕舞いという大人気のパフェ屋です。
製作風景を間近で見ることができるコの字型カウンター。ピカピカに新しいのは良いのですが、どことなくイートイン風というかサロショの特設ブースのような雰囲気であり風情がありません。写真を見る限り前の店舗の内装のほうがカッコよかった。
イチヂクのパフェとほうじ茶のパフェを注文。お会計は合計で4千円を超えました。ジャニス・ウォンも驚きの価格設定です。食べる瞬間を除いてはマスク着用必須、動画はNGと注文の多いパフェ屋です。その割に支払いは現金かペイペイのみとハイテクなんだかアナクロなんだか清潔なんだか不衛生なんだか良くわからないコンセプト。現金のような汚物を前払いで手渡ししてから製作に入られるのは何かやだ。
作業を開始する際はわざわざ我々のカウンターまで移動してくれます。このあたりのファンサはしっかりしています。
ただし製作といっても半製品が冷蔵庫にストックされており、客の前では生クリームを放り込んでトッピングをするだけです。フランス料理屋でデザートの仕上げを客席で行う感じに似てるかも。
「焦がしキャラメルバナナとほうじ茶のパルフェ」は1,780円というぶっ飛び価格。しかしその内容物のほとんどはバナナとクリームでありほうじ茶の風味に乏しい。てゆーか全然美味しくない。特にアイスがダメですね。ハーゲンダッツのほうが余程美味しいです。
こちらはイチヂクのパフェ(正式名称失念)は2,300円。アベノミクスのインフレターゲットが成功した瞬間です。
食器の断面に旬の果物を貼り付けるプレゼンテーションには独創性が感じられますが、中身は凡庸なクッキー(クランブル?)に質の低いアイスが少々、中途半端なクリームがダブダブ。これほど見た目の味わいにギャップのあるスイーツも珍しい。六本木「ルワンジュ東京」のクマのケーキを思い出しました。つまり全然美味しくない。
それにしてもアイスの品質が支払金額に見合っていないと目を凝らすと、パッケージに「イルジェラート アイスミルク」と克明に印字されているではないですか。すげえな、この値段取って業務用のアイスミルク使っちゃうんだ。どうりで全体的に軽薄なわけだ。旨いと感じる瞬間が絶無に等しい。これは高級スイーツ業界に対するギルティである。

京都にも出店を果たし今のところ破竹の勢いのようですが、空っぽなバケツほど大きな音が鳴るものであり、これがいつまで続くことやら。写真を撮るだけのお店と割り切って訪れましょう。

食べログ グルメブログランキング
関連記事
男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

難解な理論をユルいトーンで柔らかく読み解く専門書。チョコレートに係る基本的な素養から、文学や映画など芸能との関係まで解かり易く解説。ぜひチョコレートを食べながらのんびりと読んでみましょう。